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その唯一無二のスタイルで多くのライダーを魅了するホンダの人気クルーザー、「レブル500」。デザインに惚れ込んで購入を検討しているものの、ネット上で囁かれる「レブル500の高速走行はきつい」という評判が気になり、あと一歩が踏み出せない…そんな風に悩んでいませんか?
確かに、レブル500にはノーマルの状態で高速走行を苦手とするいくつかの明確な理由が存在します。しかし、ご安心ください。それらの弱点は、正しい知識といくつかの簡単な対策で、十分に克服することが可能です。
この記事では、レブル500の高速走行にまつわる漠然とした不安を解消するため、以下の点を詳しく解説していきます。
この記事を読むと分かること
- レブル500の高速走行が「きつい」と言われる3つの具体的な原因
- 実際に乗っているオーナー達が感じているリアルな本音
- 風圧や振動を劇的に軽減する効果的なカスタム方法
- 快適化カスタムにかかる費用と、お金をかけない乗り方の工夫
なぜレブル500の高速走行が「きつい」と感じるのか、そしてどうすれば快適なロングツーリングを実現できるのか。この記事を最後まで読めば、その答えが具体的に見えてくるはずです。あなたのバイクライフがより豊かなものになるための一助となれば幸いです。
レブル500の高速走行がきついと言われる3つの原因

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ホンダの人気クルーザー、レブル500。そのスタイリッシュな見た目と扱いやすさから、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、ネット上では「高速走行はきつい」という声もちらほら。本当にそうなのでしょうか?ここでは、レブル500の高速走行が「きつい」と言われる具体的な3つの原因を、筆者の経験も交えながら深掘りしていきます。
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原因①:上半身を直撃する強烈な風圧

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レブル500の高速走行で最も多くの人が「きつい」と感じる原因、それは間違いなく走行風による風圧です。
レブル500は、その名の通りカウルやスクリーンといった風防パーツが標準で装備されていない、いわゆる「ネイキッド」なクルーザーです。私も現在MT-09というネイキッドバイクに乗っていますが、カウル付きのバイクから乗り換えると、その風圧の違いに驚かされます。
具体的には、時速80km/hあたりから風の抵抗を強く感じ始め、時速100km/hを超えると、まるで壁に向かって走っているかのような強烈な風圧が上半身、特に胸から上に襲いかかってきます。体を伏せれば多少はましになりますが、レブルのポジションではそれも限定的。常に風圧に耐えるために首や肩、腕に力が入り、これが体力をじわじわと奪っていくのです。
30分程度の短い距離なら爽快感で済みますが、1時間を超えるような高速巡航では、この風圧が疲労の最大の原因となることは間違いありません。

原因②:高回転域で気になるエンジンの振動
レブル500に搭載されている471ccの並列2気筒エンジンは、低中速域では「トトト…」という心地よい鼓動感があり、街乗りや下道をのんびり流すには最高のパートナーです。このフィーリングに惚れ込んでいるオーナーも多いでしょう。
しかし、その舞台が高速道路になると、少し様子が変わってきます。高速巡航を続けるには、当然エンジンの回転数を高く保つ必要があります。すると、あの心地よかったはずの鼓動が、連続的な微振動となってハンドルやステップ、シートから体に伝わってくるのです。
特に、日本の高速道路で流れに乗るために必要な時速100km/h付近の回転域で、この振動が顕著に感じられる傾向があります。短時間なら気にならないかもしれませんが、長時間この振動に晒されていると、徐々に手のひらが痺れてきたり、お尻がムズムズするような不快感に繋がります。これが集中力を削ぎ、精神的な疲労を蓄積させる一因となるのです。
原因③:お尻に負担が集中するポジション

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クルーザーバイクの魅力の一つは、足を前に投げ出すようなリラックスしたライディングポジションです。足つき性も良く、跨っただけでは非常に楽に感じられます。
しかし、このポジションが高速道路での長距離走行では裏目に出ることがあります。一般的なネイキッドやスポーツバイクが、ステップに体重をかけたり、膝でタンクをホールド(ニーグリップ)したりして体重を分散できるのに対し、レブルのポジションではライダーの体重のほとんどがお尻の一点に集中してしまうのです。
さらに、路面からのギャップや衝撃も、サスペンションで吸収しきれなかった分がダイレクトに腰やお尻に伝わります。レブルの純正シートはデザイン性は高いものの、クッション性が特別に優れているわけではありません。そのため、個人差はありますが、早い人では1時間も走らないうちにお尻が痛み始め、休憩の回数を増やさざるを得ない状況に陥ることがあります。

オーナーの口コミ「正直ここがツラい」
SNSやレビューサイトを覗いてみると、レブル500オーナーからのリアルな声が数多く見つかります。デザインやエンジンの鼓動感、取り回しの良さなど、多くの点で高い満足度を得ている一方で、高速走行に関してはやはり厳しい意見が目立ちます。
「100km/h巡航はできるけど、快適ではない。風との戦い」「風防は絶対に付けた方がいい。ないと修行」「250よりはパワーがあって楽だけど、振動と風圧はやっぱりツラい」といった声が代表的です。特に、カウル付きのツアラーモデルなどから乗り換えたライダーほど、そのギャップに戸惑う傾向があるようです。
もちろん、「このワイルドさが良い」「慣れれば平気」というタフな意見もあります。しかし、多くのオーナーが高速走行の快適性について何らかの課題を感じており、それをカスタムなどで工夫して楽しんでいる、というのが実情と言えそうです。
時速120km巡航は現実的か?
「きつい」と言われるレブル500ですが、では時速120km/hでの巡航はそもそも可能なのでしょうか?
結論から言うと、エンジンの性能的には全く問題ありません。レブル500の最高出力は46馬力。これはかつての名車CB400SF(約56馬力)に迫る数値で、高速道路の本線車線で流れをリードするには十分すぎるほどのパワーを持っています。時速100km/hからの追い越し加速もスムーズで、力不足を感じる場面はまずないでしょう。
問題は、やはりこれまで述べてきた「風圧」と「振動」です。エンジンに余力があっても、ライダーの身体が先に悲鳴を上げてしまいます。風圧は速度の二乗に比例して強くなるため、時速120km/hの世界は100km/hとは比較にならないほど過酷です。
したがって、「短時間、例えば追い越しのために120km/hを出すことは全く問題ないが、その速度で巡航し続けるのは、何の対策もしていないノーマル状態では非現実的」というのが答えになります。

レブル250との高速性能の決定的違い
レブルシリーズの購入を検討する際、多くの人が250と500で悩むのではないでしょうか。特に高速道路の走行性能において、この2台には決定的な違いがあります。
その最大の違いは、やはり「絶対的なパワーとトルクの余裕」です。レブル250でも時速100km/hで巡航すること自体は可能ですが、エンジンはかなり高回転まで回っており、「頑張ってる感」が否めません。追い越しをかける際にも、ギアを一段落としてスロットルを大きく開ける操作が必要になる場面があります。
一方、レブル500は同じ時速100km/hでもエンジンにはまだ余裕があり、ライダーは精神的に非常にリラックスできます。追い越しも右手を少しひねるだけでスムーズに完了します。この精神的な余裕が、長距離を走った際の疲労度に大きく影響してきます。
ただし、これまで解説してきた風圧やポジションの問題については、車体を共有しているため250も500も条件はほぼ同じです。高速道路を利用する機会が少しでもあるのなら、そのストレスの少なさから500を選ぶ価値は十分にあると言えるでしょう。
簡単カスタムで解決!レブル500の高速をきついと感じさせない対策

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レブル500の高速走行には、確かにいくつかの「きつい」点が存在します。しかし、ご安心ください。それらの弱点は、いくつかの効果的なカスタムや少しの工夫で、劇的に改善することが可能です。ここでは、誰でも実践できる具体的な対策をご紹介します。あなたのレブル500を、長距離ツーリングがもっと楽しくなる快適仕様に変身させましょう。
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対策①:ウインドスクリーンの絶大な効果

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高速走行における最大の敵「風圧」に対して、最も効果的な対策がウインドスクリーンの装着です。これは断言できます。様々なカスタムパーツがありますが、快適性の向上という点において、これほど劇的な変化を体感できるパーツは他にありません。
スクリーンには、メーター周りだけを覆う小型のバイザーから、胸元まですっぽりカバーする大型のものまで様々な種類があります。もちろん、大きければ大きいほど防風効果は高まりますが、レブルのスタイルを崩したくないという方も多いでしょう。
個人的におすすめなのは、胸元あたりまでの高さを確保できるミドルサイズのスクリーンです。これ一枚あるだけで、体に直接当たる風がほぼなくなり、高速巡航が驚くほど楽になります。ヘルメットに当たる風は残りますが、体が風圧で持っていかれる感覚がなくなるだけで、疲労度は半分以下に軽減されると言っても過言ではありません。長距離ツーリングを少しでも考えているなら、真っ先に検討すべきカスタムです。
対策②:ハンドル周りの振動対策パーツ
じわじわと体力を奪う不快な振動。これには、ハンドル周りのパーツ交換が有効です。特に費用対効果が高く、DIYでも比較的簡単に交換できるのが「ヘビーウェイトバーエンド」です。
これは、純正のバーエンド(ハンドルの末端についている重り)を、より重量のある社外品に交換するというもの。バーエンドが重くなることで、ハンドルの微細な振動の周波数を変え、ライダーが不快に感じる振動を軽減する効果があります。
さらにこだわりたい方は、グリップを振動吸収性の高いゲル素材などが使われたものに交換するのも良いでしょう。ヘビーウェイトバーエンドと防振グリップを組み合わせることで、手に伝わるブルブルとした振動がかなりマイルドになり、長距離を走っても手が痺れにくくなります。地味なパーツですが、その効果は確かです。

対策③:お尻の痛みを解決するシートカスタム
長距離走行で避けては通れないお尻の痛み。これを解決するには、やはりシートに手を入れるのが一番の近道です。方法は大きく分けて2つあります。
一つは、純正シートの上に敷くタイプのクッション、いわゆる「ゲルザブ」などを使用する方法です。比較的手頃な価格で導入でき、お尻にかかる圧力を分散してくれるため、痛みを緩和する効果が期待できます。手軽に試せるのが最大のメリットです。
もう一つは、シートそのものを社外品のコンフォートシートに交換する方法です。価格は高くなりますが、座面の面積が広げられていたり、内部のウレタン素材が最適化されていたりと、根本的な解決を目指せます。見た目もバイクにマッチするようにデザインされており、長距離ツーリングの快適性が劇的に向上します。頻繁にロングツーリングに出かける方なら、投資する価値は十分にあるでしょう。
費用対効果の高いおすすめカスタムは?
これまでいくつかの対策を紹介してきましたが、「予算も限られているし、どれから手をつければいいの?」と迷う方もいるでしょう。そこで、筆者が考える「費用対効果の高いおすすめカスタム」の優先順位をご紹介します。
1位:ウインドスクリーン
やはりこれが一番です。疲労の最大原因である風圧を直接的に軽減できるため、体感できる効果が最も大きいです。
2位:ヘビーウェイトバーエンド
数千円という比較的安価な投資で、不快な振動を確実に軽減してくれます。コストパフォーマンスは抜群です。
3位:ゲルザブ(シートクッション)
高価な社外シートに交換する前に、まずは1万円前後で試せるこちらで効果を確認してみるのがおすすめです。
まずはこの3つ、いわば「快適化三種の神器」から試してみてはいかがでしょうか。これだけでも、レブル500の高速走行は驚くほど快適になるはずです。

快適化カスタムにかかるトータル費用の目安
実際にカスタムするとなると、気になるのはその費用感ですよね。ここでは、これまで紹介した主要な快適化カスタムにかかる費用の目安をまとめてみました。
- ウインドスクリーン:15,000円 ~ 30,000円
- ヘビーウェイトバーエンド:5,000円 ~ 10,000円
- ゲルザブ(シートクッション):8,000円 ~ 15,000円
- 社外コンフォートシート:50,000円 ~ 80,000円
例えば、前述の「費用対効果の高いおすすめカスタム」3点を揃えた場合、合計で約3万円~5万5千円が目安となります。もし本格的にシート交換まで行うのであれば、合計で10万円前後を見ておくと良いでしょう。
私の年間バイク予算は約30万円ですが、その範囲内で十分に楽しめる現実的な金額ではないでしょうか。まずは自分にとって一番の課題と感じる部分から、一つずつ試していくのがおすすめです。
ライディングフォームの工夫で疲労軽減
カスタムも非常に有効ですが、お金をかけずとも、乗り方を少し工夫するだけで疲労を軽減させることが可能です。ぜひ試してみてください。
一つは、ニーグリップを意識することです。クルーザーは足を前に出すためニーグリップしにくいと思われがちですが、意識して内ももでタンクを軽くホールドすることで下半身が安定します。これにより、上半身の余計な力が抜け、風圧に対しても踏ん張りが効くようになります。
もう一つは、少しだけ猫背を意識することです。背筋をピンと伸ばしすぎると、路面からの衝撃がダイレクトに腰に伝わってしまいます。ほんの少しだけ背中を丸め、腹筋で上体を支えるようなイメージを持つと、腰への負担を和らげることができます。
そして最も重要なのが、定期的な休憩です。どんなに高価なカスタムパーツを付けても、休憩なしで走り続けることはできません。最低でも1時間に1回はバイクを降りて、屈伸やストレッチをする習慣をつけましょう。これだけで、次の1時間の走りが驚くほど楽になりますよ。
総括:レブル500の高速がきつい問題は解決できる
この記事では、レブル500の高速走行がなぜ「きつい」と言われるのか、その原因と具体的な解決策を掘り下げてきました。

- レブル500の高速走行は「きつい」という評価は確かに存在する
- その主な原因は「風圧」「振動」「ポジション」の3つである
- カウル非装備のため、時速100kmを超えると上半身への風圧が厳しい
- 高回転域ではエンジン特有の微振動がハンドルに伝わる
- クルーザーポジションは体重がお尻に集中しやすく、痛みの原因になりがち
- エンジンパワー自体は46馬力と十分で、追い越し加速に不満はない
- スペック上は時速120km巡航も可能だが、快適性とは別の問題
- レブル250との決定的違いは、高速域でのパワーとトルクの余裕
- 高速道路を頻繁に使うなら、250よりも500が圧倒的に楽である
- これらの「きつい」点は後付けのカスタムで大幅に改善できる
- 最も効果的な対策は、疲労を半減させるウインドスクリーンの装着
- 数千円で導入できるヘビーウェイトバーエンドは振動対策に有効
- お尻の痛みはゲルザブや社外品のコンフォートシートで解決できる
- まず試すべきは「スクリーン」「バーエンド」「ゲルザブ」の3点
- 快適仕様へのカスタムは、約3万円~5万円の予算から始められる
- ニーグリップの意識やこまめな休憩など、乗り方の工夫も重要である
最後に
今回は、レブル500の高速走行が「きつい」と言われる理由と、その具体的な対策について詳しく解説しました。
弱点とされるポイントは確かに存在しますが、その一つ一つに対策があり、カスタムや工夫次第で快適なロングツアラーにもなり得ることがお分かりいただけたのではないでしょうか。