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W800はつまらない?評価の真実と飽きずに長く乗れる3つの理由

W800はつまらない?購入前に知るべき3つの評価と本当の価値

image: bikerbikest.com

W800の購入を検討しているあなたにとって、ネット上で見かけるW800がつまらないとか遅いといったネガティブな評価は気になりますよね。せっかく高いお金を出して買うのに後悔したくないですし、高速道路でのツーリングやワインディングで置いていかれるのも避けたいところです。あるいは偉大な先代であるW650と比較してエンジンの振動や鼓動感が薄れたという意見を目にして、現行モデルは味気ないのではないかと不安を感じているかもしれません。

実は私自身もエンジニアとしてスペック数値を重視していた時期がありましたが、バイクの魅力は数字だけでは測れない奥深さがあることに気づかされました。特に、家庭を持ち、仕事でも責任ある立場になると、バイクに求めるものが「刺激」から「癒やし」へと変化していくものです。この記事ではW800に対する厳しい評価の真偽を検証しながら、そのネガティブな要素こそが実は長く付き合える理由になり得るという逆説的な魅力について、同じライダーの視点から掘り下げて解説していきます。

この記事を読むと分かること

  • W800が「つまらない」と評価される具体的な理由と構造的背景
  • 先代W650やライバル車と比較した際の実力差
  • スペックには現れないW800独自の「官能性能」の正体
  • このバイクを選んで幸せになれるライダーの特徴と楽しみ方

結論から言うと、W800が「つまらない」と言われるのは事実ですが、それは「刺激」を求める人にとっての評価であり、「癒やし」や「対話」を求める人にとっては、これ以上ない最高の相棒になり得るバイクです。

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W800がつまらないと言われる5つの構造的な理由

W800がつまらないと言われる5つの構造的な理由

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なぜW800が一部のライダーから「退屈だ」と評されてしまうのか、その原因をエンジニアリングやスペックの観点から冷静に分析していきます。感情的な好き嫌いではなく、構造的に「そうならざるを得ない」理由を知ることで、納得して選べるようになるはずです。

絶対的なパワー不足とライバル車との比較

評価③:ライバル車とのスペック比較

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最も多くの人が指摘するのがエンジンのパワー不足です。W800のスペックを見てみると、排気量は773ccもあるのに最高出力は初代モデル(2011-2016年)で48PS、現行モデル(2019年以降)で52PSしかありません。これは現代の基準で見ると、400ccクラスのスポーツバイク(例:Ninja 400は48PS)と同等か、それ以下の数値なんですよね。「ナナハン(750cc)以上の大型バイクなんだから、アクセルを開ければ怒涛の加速をするはずだ」と期待して乗ると、その穏やかすぎる加速感に肩透かしを食らってしまうんです。

比較対象としてよく挙げられるのが、同じカワサキのネオクラシックモデルである「Z900RS」や、英国の雄「トライアンフ・ボンネビルT100/T120」です。これらとのスペック差を表で見てみましょう。

車種 W800 Z900RS Bonneville T100
排気量 773cc 948cc 900cc
最高出力 52PS(現行) 111PS 65PS
エンジン形式 空冷2気筒 水冷4気筒 水冷2気筒

ご覧の通り、Z900RSは111PSもあり、W800の倍以上のパワーを持っています。トライアンフも水冷化によって性能を底上げしています。この圧倒的な数値の差は、実際のツーリングシーンでも明確に現れます。例えば、高速道路の合流や、登り坂での追い越し加速。Z900RSが一瞬で彼方へ消え去るような場面でも、W800は「ズズズズ...」と一生懸命に回転を上げながら、ゆっくりと速度を乗せていく感じです。

エンジニアmomomoの視点
これは技術力が低いわけではなく、あえて「低中速トルク」と「空冷エンジンの美しさ」に全振りした設計だからです。ロングストローク設定(ボア77.0mm×ストローク83.0mm)によって、街中で多用する2000〜3000回転付近の常用域で最も美味しく走れるように調整されています。

しかし、ツーリングで仲間がリッターバイクや最新のスポーツモデルに乗っていたりすると、どうしても置いていかれる場面が出てきます。「必死にアクセルを開けてもついていけない」という無力感が、「遅い=つまらない」という評価に直結してしまうのは無理もないことです。

momo
大型なのに400ccに煽られるのは、ちょっと悔しいかも...。でも、この遅さがWの味なんだよね。

偉大な先代W650と比較される振動と鼓動

W800特有の「振動」は不快か

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W800を語る上で避けて通れないのが、名車「W650」の存在です。私のような少し古い世代のライダーからすると、W650の独特な乗り味は強烈な印象として残っています。W650はエンジンのバランサーをあえて効かせすぎない設定にしていて、ドコドコとした不快じゃない振動がハンドルやお尻に伝わってくる「生き物のようなバイク」でした。

W650が登場した1999年当時、「速さ」よりも「味」を追求したそのコンセプトは衝撃的でした。しかし、後継機であるW800は、排気量アップに伴う振動増加を抑えるため、内部パーツの重量バランスが見直され、燃料供給もインジェクション化されました。これにより、エンジンの回転フィールは非常にスムーズでシルキーなものになりました。

これは工業製品としては「進化」であり「洗練」なのですが、W650の荒々しい鼓動感を知る原理主義的なファンからすれば、「去勢された」「普通のバイクになってしまった」というネガティブな評価に繋がってしまいます。

鼓動感の違い
W650:ドコドコと角のある振動。機械が動いている実感が強い。
W800:トゥルルトゥルルという滑らかな回転。長距離でも手が痺れにくい。

「鼓動感」というのは数値化できない官能性能の部分ですが、ここが薄まったことで「つまらなくなった」と感じるベテランライダーが多いのは事実です。特に2011年の初期型W800はその傾向が強かったと言われていますが、2019年以降のモデルでは排気音のチューニングなどで「音による鼓動感」はかなり取り戻しているとも感じます。

キック始動の廃止とインジェクションの是非

W650からの大きな変更点として、W800ではキックスターターが完全に廃止されました。朝一番、冷え切ったエンジンのご機嫌を伺いながら、デコンプレバーを操作し、上死点を探って一気にキックペダルを踏み下ろす...あのかっこいい所作(儀式)に憧れていた人にとっては、セルボタン一つで「キュルボン!」と簡単にエンジンがかかってしまうW800は、便利すぎて味気なく感じるかもしれません。

「バイクを目覚めさせる」という感覚が、単なる「スイッチオン」の作業になってしまった寂しさ。これは効率を追求する現代社会へのアンチテーゼとしてバイクに乗る人にとっては、重要な要素が欠落したように感じるでしょう。

また、燃料供給がキャブレターからフューエルインジェクション(FI)に変わったことで、アクセルレスポンスが正確無比になりました。キャブレター特有の、アクセルをガバッと開けたときに一瞬「ボボッ」と溜めがあってから回転が上がってくるような「機械的なゆらぎ」や「曖昧さ」がなくなり、デジタルで制御された優等生的な反応になったことも、「操っている感」が薄れたと言われる原因の一つでしょう。

便利になるのはいいことだけど、不便を楽しむのも趣味の醍醐味だもんね。冬場の始動に苦労するのも、今となってはいい思い出かな。
tomo

高速道路での巡航性能と風圧による疲労感

W800で高速道路を走ると、そのネガティブな要素が顕著に現れます。カウル(風防)が全くないネイキッドスタイルに加え、アップライトな殿様乗りのポジションなので、走行風をまともに全身で受け止めることになります。時速80kmくらいまでは快適ですが、時速100kmを超えると風圧との戦いになり、長時間は首や腕がかなり疲れます。

さらに、ギア比の関係もあり、高速域ではエンジン回転数がそれなりに高くなります。W800のエンジンは低回転(2000〜3000回転)が最も気持ちいいように作られているので、4000回転、5000回転と回して連続走行していると、エンジンが苦しそうに唸っているように感じて、「無理させている感」が出てしまうんですよね。振動も細かくなり、手がビリビリしてくることもあります。

「高速道路をバビューンと快適に移動して、遠くの温泉に行きたい」というニーズに対しては、W800はあまり適していません。結果、「高速道路がつまらない、むしろ苦痛で退屈だ」という感想に繋がります。

注意点
高速ツーリングをメインに考えているなら、純正オプションのメーターバイザーや、社外品の大型スクリーン装着は必須レベルで検討したほうが良いでしょう。見た目は少し変わりますが、疲労度は段違いです。

刺激的な加速よりも穏やかなフィーリング

現代のスポーツバイク、例えば私が乗っているヤマハのMT-09などは、アクセルを少し捻るだけで脳汁が出るような強烈な加速をします。トラクションコントロールやクイックシフターなどの最新電子制御も満載で、ライダーの意思に瞬時に反応する「操る楽しさ」がダイレクトに返ってきます。

対してW800は、すべての反応がワンテンポ遅れてくるような、非常に穏やかなフィーリングです。重いフライホイールの影響で、アクセルを開けても回転上昇はゆっくりですし、回転が落ちるのもゆっくりです。コーナーを攻めようとしても、ダブルクレードルフレームが柔らかいので、高速コーナーでは車体が少しよれるような挙動(ウォロー現象)を見せますし、ブレーキもシングルディスクで「ガツン」とは効きません。

これを「恐怖」や「性能不足」と捉えるか、「クラシカルな味」と捉えるかで評価は180度変わりますが、アドレナリンが出るような刺激を求めるスポーツ志向のライダーにとっては、間違いなく「退屈で眠くなる乗り物」に映るはずです。W800は、ライダーの操作に対して「うん、わかったよ」と一呼吸置いてから動き出すような、そんなおっとりとした性格なんです。

つまらないW800が最高の相棒になる3つの理由

つまらないW800が最高の相棒になる3つの理由

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ここまで散々「つまらない」理由を並べましたが、ここからは視点を変えて、なぜW800がこれほど愛され、「上がりのバイク」として選ばれるのか、その真の魅力について解説します。「つまらない」の裏側にある、計算された「豊かさ」に気づけば、評価はガラリと変わるはずです。

ベベルギアと360度クランクが奏でる音

W800の最大の武器であり、他のバイクにはない絶対的な個性。それは、そのエンジンが奏でるサウンドとメカニカルノイズです。エンジニアとしてぜひ注目してほしいのが、エンジン右側に伸びる美しいシャフト、「ベベルギア(傘歯車)」です。

これはカムシャフトをチェーンではなく、垂直なシャフトとギアで駆動する非常に古典的でコストのかかる機構なんですが、エンジンを回すと「ヒュルヒュル...」という独特の機械音が排気音に混ざり合います。これがたまらなくノスタルジックなんですね。

そして、現代の並列2気筒エンジンの主流である「270度クランク(ドコドコ感重視)」ではなく、あえて昔ながらの360度クランクを採用している点が最大のポイントです。両方のピストンが同時に上下するこの形式は、等間隔の優しい排気音を奏でます。派手なパルス感はないかもしれませんが、長距離を走っても疲れにくい、ずっと聞いていたくなるような心地よいリズムなんですよ。

  • 270度クランク(MT-07等):ドコドコとした鼓動感、トラクション性能が高い。現代的でスポーティ。
  • 360度クランク(W800):バーーッという連続音、滑らかで重厚。レトロで牧歌的。

この「退屈な音」こそが、長時間乗っていると「精神安定剤」のように効いてくるんです。

鉄とメッキの質感が満たす深い所有欲

価値②:細部に宿る金属の造形美

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W800は「盆栽性能」が極めて高いバイクです。最近のバイクは軽量化やコストダウンのためにプラスチックパーツを多用しますが、W800はフェンダーやサイドカバー、ヘッドライトケースなど、随所に本物の「鉄(スチール)」と分厚い「クロームメッキ」を使用しています。

指で弾くと「コンッ」と硬い音がする。磨けば鏡のように輝く。この質感は、プラスチックに塗装しただけのパーツとは決定的に違います。ずっしりとした重さ(226kg)は走行性能にはマイナスですが、「重厚感」という所有満足度においては大きなプラスに働きます。

ガレージで椅子に座り、缶コーヒーを飲みながら、磨き上げたメッキパーツに自分の顔や夕暮れの風景が映り込むのを眺める時間。これだけで「買ってよかった」と思える満足感があります。走らなくても満足できるバイクというのは、実はそう多くありません。W800は工業製品というより、工芸品に近い魅力を持っているんです。雨の日に乗らずに磨いているだけで幸せになれるなんて、最高のコストパフォーマンスだと思いませんか?

yuka
休日にピカピカに磨くのが一番のストレス解消になりそう!空冷フィンの造形美も最高だね。

急かされない走りがもたらす精神的な余裕

価値③:スピードを求めない豊かな時間

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ここが一番伝えたいポイントなんですが、W800の「遅さ」や「反応の鈍さ」は、実はライダーを守るための高度な機能なんです。ハイパワーなバイクに乗っていると、どうしても前の車を追い越したくなったり、コーナーで攻めたくなったりして、知らず知らずのうちに精神を消耗し、「戦闘モード」になってしまいます。

でもW800に乗ると、「まあ、ゆっくり行こうよ」とバイクに優しく語りかけられているような気分になります。スロットルを開けても急加速しないから、自然と諦めがつくというか、スピードを出す気が失せるんです。その代わりに、道端の花や、空の青さ、季節の匂いといった、今まで見過ごしていた景色が目に入ってくるようになります。

トコトコと法定速度プラスアルファで流すのが最高に気持ちいい。この「急かされない感覚」は、日々の仕事や生活で時間に追われ、成果を求められている現代人にとって、極上のデトックスになります。安全運転にも繋がりますし、結果的に事故のリスクも減る。家族の理解を得る上でも、「飛ばさないバイクだから安全だよ」というのは最強の説得材料になりますね。

自分だけの一台に育てるカスタムの楽しみ

もし純正の状態が「優等生すぎてつまらない」と感じるなら、自分好みに変えていけばいいんです。W800はカスタムパーツが非常に豊富で、構造もシンプルなのでDIYでのカスタムもしやすいです。

例えば、排気音が静かすぎるなら、ワイバンやBEETなどの車検対応マフラーに交換することで、封印されていたバーチカルツインの重低音を解放できます。音が変わるだけで、体感的な「面白さ」は劇的に向上します。また、ハンドルを変えてポジションをスポーティにしたり、シートを変えてレトロ感を強調したり、ウインカーやテールランプをクラシカルなものに変えたり。

ベース車両としての素材が良いので、カフェレーサースタイルにも、スクランブラースタイルにも振れます。「つまらない」という余白があるからこそ、オーナーが手を加えて完成させていく楽しみが残されているとも言えます。自分だけのWを作り上げる過程もまた、バイクライフの醍醐味です。

維持費と耐久性から見る長く付き合える価値

最後に、現実的なお金の話をしましょう。W800は非常に経済的で頑丈なバイクです。空冷エンジンは構造がシンプルなので故障のリスクが少なく、水冷エンジンのようなウォーターポンプの故障や冷却水漏れの心配もありません。基本設計が古い分、枯れた技術で信頼性が高いんです。

タイヤサイズも一般的で、バイアスタイヤを選べば安価に交換できます。ハイグリップタイヤを履く必要もないので、消耗品代も安く済みます。燃費もツーリングならリッター25〜30km近く伸びることもあり、レギュラーガソリン仕様なのでお財布に優しい。

一般的なサラリーマンのお小遣いの範囲で無理なく維持できるというのは、長く乗り続ける上で非常に重要なファクターです。「つまらない」からこそ、飽きずに、壊れずに、ずっとそばにいてくれる。まるで長年連れ添った夫婦のような、空気のような存在になれるバイクなんです。

総括:W800がつまらないと感じる人と合う人

ここまで見てきたように、W800の評価はライダーが何を求めているかによって180度変わります。自分に合っているかどうか、冷静に見極めることが大切です。

momo
最後に、今回の記事内容のポイントをまとめます。
  • W800のパワーは初代48PS、現行52PSで必要十分だが刺激的ではない
  • 現代のバイクと比べると圧倒的に加速が遅い
  • 高速道路での長距離巡航は風圧で疲れやすい
  • キック始動がなくなり儀式的な楽しみは減った
  • W650に比べて振動は減りスムーズになっている
  • ベベルギアの機械音は唯一無二の魅力である
  • 360度クランクの排気音は聴き疲れしない
  • 鉄とメッキのパーツが多く所有満足度が高い
  • 磨く楽しみがあり盆栽バイクとしても優秀
  • 急かされない乗り味で精神的な余裕が生まれる
  • 燃費が良く維持費が安いので長く付き合える
  • カスタムパーツが豊富で自分色に染められる
  • 刺激を求める人には絶対におすすめしない
  • 穏やかな時間を楽しみたい大人には最高の相棒
  • 遅さは欠点ではなく平和のための機能である


最後に

今回は、W800が「つまらない」と言われる構造的な理由と、それでも多くのライダーに愛され続ける「上がりのバイク」としての真価について解説しました。

スペック上の速さや刺激だけがバイクの価値ではなく、急かされない穏やかな時間や、鉄とメッキが織りなす所有感こそが、長く付き合える秘訣であることをご理解いただけたのではないでしょうか。

もし、今回の記事を読んで「やはりもう少し走行性能や刺激も欲しい」と感じた方は、カワサキのZ900RSとの比較記事が参考になるはずです。

また、国産車だけでなく海外のネオクラシックモデルも検討したいという場合は、トライアンフ・ボンネビルT120の試乗インプレッションもぜひチェックしてみてください。

さらに、久しぶりのバイクで体力面に不安があるリターンライダーの方には、40代からのおすすめバイク5選の記事も役立つかもしれません。

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