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ホンダ レブル250は、そのスタイリッシュなデザインと抜群の扱いやすさで、クラスの垣根を越えて絶大な人気を誇るモーターサイクルです。しかし、多くのオーナーや購入を検討している人々の中から「ヘッドライトのデザインだけが、どうも気になる…」という、一点の曇りのような声が聞かれることがあります。特に2020年以降の現行モデルに採用された個性的な4眼LEDヘッドライトについて、レブル250のヘッドライトはダサいのではないか、という意見は、インターネット上で決して少なくありません。
この記事では、なぜ一部のライダーがそのように感じてしまうのか、その根本的な理由を前期モデルとの詳細な比較を通じて深く掘り下げていきます。さらに、その「気になる」を「お気に入り」に変えるための具体的な解決策を、「①手軽なドレスアップ」「②機能性とスタイルの両立」「③究極のスタイルチェンジ」という3つのアプローチで徹底解説。ヘッドライトカバーの取り付けといった初心者でも安心な方法から、ベーツライトへの交換で王道のクラシックスタイルを手に入れる本格的なカスタムまで、あなたの理想を叶える選択肢を網羅的にご紹介します。もちろん、Sエディションに標準装備されるヘッドライトカウルの実際の評判や、カスタム後の車検をクリアするための重要な注意点にも、専門的な視点から詳しく触れていきますのでご安心ください。ヘッドライト交換のやり方に不安がある方でも、この記事を読み終える頃には、自分に最適なカスタムの道筋がはっきりと見えているはずです。
この記事を読むと分かること
- レブル250のヘッドライトが一部で「ダサい」と評価される具体的な理由
- ヘッドライトカバーやリムを使い、最も手軽に印象を変える方法と製品
- 伝統的なボバースタイルを完成させるベーツライトカスタムの詳細
- カスタム後の車検を安心してクリアするための保安基準と必須作業
レブル250の「顔」とも言えるヘッドライトへの小さな不満は、正しい知識と少しの工夫で、この上ない満足感へと変えることができます。あなたのレブル250が、眺めるたびに心が高鳴る、真に唯一無二の存在になるためのヒントが、ここにあります。
なぜ?レブル250のヘッドライトがダサいと言われる理由

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モーターサイクル全体の完成度は極めて高いと評価されるレブル250。それにもかかわらず、なぜヘッドライトのデザインだけが、しばしば議論の的となるのでしょうか。その答えは、モデルチェンジによるデザインの変遷、バイクが持つ本来のコンセプト、そして機能性と見た目の間に横たわる、繊細なバランス感覚の中に隠されています。
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どこが変わった?旧型と現行のデザインを比較

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レブル250のヘッドライトデザインを巡る議論の核心を理解するためには、2020年のモデルチェンジ(型式: MC49 → 2BK-MC49)を境にした、劇的とも言えるデザインの変更を正確に把握する必要があります。この変更点こそが、現在の賛否両論が生まれる全ての出発点となったのです。
前期モデル(2017年~2019年 / 型式: MC49):伝統と格式のハロゲンライト
2019年までの前期モデルに採用されていたのは、直径約135mmのガラスレンズを持つ、きわめてオーソドックスな丸目一灯式のヘッドライトでした。光源には、長年にわたりバイクの標準であったH4規格のハロゲンバルブが採用されており、その暖かみのある黄色い光は、ノスタルジックな雰囲気を醸し出していました。
デザインはシンプルそのもので、古き良き時代のカスタムバイクを彷彿とさせる、まさに「王道」のスタイル。レブルが持つクラシックなボバースタイルに見事に溶け込み、多くのライダーに何の違和感もなく受け入れられていました。しかし、その普遍的なデザインの裏で、特に現代の明るい道路環境に慣れたライダーからは、光量が「ぼんやりしていて暗い」「夜の峠道では心許ない」といった、純粋な機能面での不満の声も少なくありませんでした。
- デザイン: 小径(約135mm)で伝統的な丸目一灯スタイル
- 光源: H4ハロゲンバルブ(暖色系の光)
- 評価: スタイルは高評価だが、光量不足が指摘されることも
後期モデル(2020年~ / 型式: 2BK-MC49, 8BK-MC49):機能性を追求した4眼LEDユニット
2020年、レブル250は大幅なモデルチェンジを受け、灯火類が全てLED化されました。その象徴となったのが、ヘッドライトの刷新です。新たに採用されたのは、ケース径が約175mmへと大型化されたユニットの内部に、高輝度なインナーレンズ式LEDを4灯水平に配置した、極めてモダンなデザインでした。上段の2灯がロービーム、そしてハイビーム時には全4灯が点灯する仕組みです。
この変更により、明るさ、照射範囲、そして長寿命といったあらゆる機能性が飛躍的に向上しました。しかし、この劇的な機能的進化と引き換えに、バイクの「顔」の印象は、前期モデルとは全くの別物へと変貌を遂げたのです。
- デザイン: 大径(約175mm)で内部に4つのレンズを持つ未来的スタイル
- 光源: 高輝度LED(白色のシャープな光)
- 評価: 機能性は絶賛される一方、デザインには賛否の声が上がる
このように、新旧のデザインを並べて比較すると、そのコンセプトが全く異なることが一目瞭然です。一方は「伝統への回帰」、もう一方は「未来への進化」。この明確な断絶こそが、「ダサい」という意見が生まれる土壌となっているのです。
未来的な4眼LEDと車体のミスマッチ感

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後期モデルのヘッドライトが一部で「ダサい」と評されてしまう最大の理由。それは、技術的な欠陥や造形の稚拙さではなく、バイク全体のクラシックな世界観と、ヘッドライトだけが放つ先進的なデザインとの間に生じる、強烈な「ミスマッチ感」に集約されます。
レブル250のデザイン言語は、フレームのライン、フューエルタンクの形状、そしてファットなタイヤが織りなす、紛れもない「ボバースタイル」を基調としています。このスタイルは、1940年代から50年代にかけてアメリカで生まれたカスタムカルチャーが源流で、余計な装飾を削ぎ落とし、走りに必要な要素だけで構成する「引き算の美学」がその真髄です。そして、その伝統的な文脈において、ヘッドライトは自己主張を抑えた、シンプルで小ぶりな丸型であることが暗黙の了解とされてきました。
そこへ、まるで最新のスポーツバイクやSF映画に登場するロボットの視覚センサーを思わせる、分割された4つのレンズが内部で輝くLEDユニットが組み合わされました。このデザインは、単体で見れば非常にシャープで機能美にあふれています。しかし、車体全体が醸し出す「ロウブロウ(低俗でカッコいい)な味わい」や「オーセンティックな鉄の塊感」とは、明らかに異なる言語で語りかけてくるのです。
それはまるで、丁寧にハンドドリップしたこだわりのコーヒーを、無機質な化学のビーカーで飲むような感覚に近いかもしれません。この感覚は、ファッションに例えると「ビンテージのレザージャケットに、最新のスマートウォッチを合わせた」ような状態と言えるでしょう。それぞれは優れたアイテムですが、組み合わせた際に生じるスタイルのズレが、一部の純粋なクラシックスタイルを求めるライダー層に、拭い去れない美的違和感を抱かせるのです。
これが「なんだかダサい」「ここだけ浮いて見える」という評価の正体であり、客観的な美醜の問題というよりは、文脈上の不協和音と結論付けるのが最も的確でしょう。
機能性は抜群!でも見た目の評判は賛否両論
デザイン面で熱い議論を呼ぶ一方で、後期型4眼LEDヘッドライトの純粋な機能性が極めて高く、安全性に大きく貢献していることは、全てのオーナーが一致して認めるところです。この点が、問題をより複雑で興味深いものにしています。
夜間走行の概念を変える、圧倒的な明るさと安全性
前期モデルのハロゲンバルブを知るライダーが後期モデルに乗り換えると、まずその明るさに衝撃を受けます。まるで昼間のように路面を白くシャープに照らし出し、これまで見えにくかった道路の凹凸や障害物を早期に発見できるようになります。
特に特筆すべきは、ロービームの配光設計です。対向車や先行車を眩惑させないよう、光の上方向への漏れを厳密にカットする「カットオフライン」が、まるで定規で引いたように水平にクッキリと出るように設計されています。これにより、他車に迷惑をかけることなく、必要な範囲だけを最大限の光量で照らすことが可能です。この安全性への貢献度は計り知れず、夜間走行が多いライダーにとっては、デザインの好みを凌駕するほどの絶大なメリットとなります。
カンデラ(cd)とは?
ヘッドライトの明るさを示す単位で、光源から特定の方向へどれだけ強い光が出ているか(光度)を表します。車検の保安基準では、ハイビーム(走行用前照灯)で1灯あたり15,000カンデラ以上の光度が求められますが、純正LEDヘッドライトはこの基準を余裕でクリアする性能を持っています。
SNSで見る、オーナーたちのリアルな声
実際にオーナーコミュニティの評判を覗いてみると、意見は見事に真っ二つに分かれています。この二極化こそが、レブル250のヘッドライト問題を象徴しています。
【機能性・先進性】を評価する肯定的な意見
- 「夜の安心感が段違い。一度LEDの明るさを知ったらハロゲンには戻れない」
- 「この未来的な顔つきこそが、ネオクラシックとしてのレブルの個性だと思う」
- 「最初は違和感があったけど、毎日見ていたらだんだんカッコよく思えてきた。スルメみたいなデザイン」
【スタイル・世界観】を重視する否定的な意見
- 「バイク全体は100点満点なのに、ライトのせいで90点になってる感じ。本当にもったいない」
- 「どうしても虫の複眼のように見えてしまい、愛着が湧きにくい…」
- 「納車前からヘッドライトの交換は決めていた。カスタムの第一候補です」
このように、ライダーがバイクに何を求めるか――「安全で快適な移動手段」としての性能を重視するのか、それとも「自己表現のツール」としてのスタイルを優先するのか――によって、同じデザインが全く異なる評価を受けるのです。この根深い価値観の違いが、議論が尽きない根本的な理由と言えるでしょう。
Sエディション標準のヘッドライトカウルの評価は?
レブル250の上級グレードとして設定されている「S Edition」。このモデルには、標準装備として専用のヘッドライトカウル、フォークブーツ、そして特別なカラーリングのシートが与えられています。中でもヘッドライトカウルは、フロントマスクの印象を大きく左右するパーツであり、その評価もまたオーナーの間で様々です。
この小ぶりなヘッドライトカウルは、ABS樹脂製で車体色に合わせた塗装が施され、ヘッドライトの上部からメーターを覆うようにデザインされています。これにより、フロントマスクに一体感と精悍さ、そして適度なボリューム感が生まれます。
肯定的な意見としては、「4眼LEDの未来的な印象がカウルで少し中和され、全体のまとまりが良くなる」「高速走行時に、胸元に当たる風をわずかに軽減してくれる防風効果が地味に嬉しい」「S Editionだけの特別感が所有満足度を高めてくれる」といった声が多く聞かれます。
一方で、より純粋なボバースタイルやチョッパースタイルを目指すライダーからは、「カウルが付いても、根本的なヘッドライトデザインの好みは変わらない」「むしろ、フロント周りをスッキリさせたいのでカウルは不要」という意見も見られます。
この純正カウルとフォークブーツは、後から標準モデルに純正部品として取り寄せて装着することも可能ですが、パーツ代と工賃を合わせると数万円の費用がかかるため、新車購入時にS Editionを選ぶかどうかの大きな判断材料の一つとなっています。
ホンダ自身が、このヘッドライト周りの印象を変えるカウルを上級グレードの象徴として用意しているという事実は、メーカー側もこの部分がオーナーの個性を表現する上での重要なカスタムポイントであることを深く認識していることの、何よりの証拠と言えるかもしれません。
レブル250のヘッドライトをダサい印象から卒業するカスタム3選

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「やはり、自分好みのスタイルではない…」そのように感じるのであれば、カスタムこそが最も直接的で満足度の高い解決策となります。幸いにも、レブル250は世界的に人気が高いモデルであるため、国内外のパーツメーカーから多種多様なカスタムパーツが供給されています。ここでは、あなたの予算、スキル、そして目指すスタイルに合わせて選べる、印象を劇的に変えるための3つの具体的なカスタムアプローチを、専門的な視点から詳しく提案します。
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①ヘッドライトカバーやリムで手軽にイメチェン

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最もシンプルで、初心者にも強くお勧めできるのが、ヘッドライトカバー(またはヘッドライトリム)を取り付けるカスタムです。これは純正ヘッドライトの上から被せるだけで、バイク本体への加工は一切不要。そのため、元に戻したくなった場合でも簡単に原状復帰できるという大きな利点があります。取り付けは、付属の両面テープを使って貼り付けるだけなので、特別な技術や工具は必要ありません。
おすすめ製品①:KIJIMA(キジマ)ヘッドライトリム クロームメッキ
国内の老舗バイク用品メーカーであるKIJIMAから発売されているこのヘッドライトリムは、後期型4眼LEDヘッドライトの周囲をぐるりと囲むようにデザインされたクロームメッキ製のベゼルです。ステンレス素材に美しいメッキ加工が施されており、ヘッドライト全体に高級感と立体感が加わり、フロントマスクが引き締まって見える効果があります。
特に印象的なのは、4つに分かれたLEDレンズを囲むように光るクロームの輝きが、未来的すぎる雰囲気を少し和らげ、よりクラシカルなテイストへと近づける点です。価格も比較的手頃で、多くのオーナーが最初のカスタムとして選択しています。取り付けは、付属の3M製強力両面テープを用いるだけで、作業時間は10分程度。ただし、貼り付け前にはパーツクリーナーなどで十分に脱脂することが、長期間の耐久性を保つ秘訣です。
おすすめ製品②:K-SPEED ヘッドライトカバー(ブラック/クローム)
タイを拠点とする世界的なカスタムパーツメーカー、K-SPEEDが手がけるヘッドライトカバーは、より大胆な印象変化を求めるライダーに最適です。純正ヘッドライトの前面を完全に覆い隠すタイプで、中央に開いた縦長のスリット部分だけから光が漏れるデザインとなっています。この縦スリットのデザインが、まるで映画に登場するビンテージレーサーのような精悍さと神秘性を演出します。
素材はABS樹脂製で、光沢のあるブラック塗装またはクロームメッキ仕上げから選択可能。海外製品ながら、レブル250専用設計のため、フィッティングは良好です。KIJIMAのリムと比べると、より攻撃的で個性的な印象に仕上がります。ただし、ヘッドライト全体を覆う構造のため、配光パターンに若干の影響が出る可能性がある点には留意が必要です。夜間走行が多いライダーは、装着後に実際の照射具合を確認することをお勧めします。
どちらの製品も、「ライト本体の交換はハードルが高いけど、手軽に印象を変えたい」という多くのライダーのニーズに応える、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。
②旧型ならLEDバルブ交換がおすすめ
もしあなたが2019年以前の前期モデル(型式: MC49)のオーナーであれば、純正のH4ハロゲンバルブを高性能なLEDバルブに交換することで、安全性とスタイルの両方を大きく向上させることができます。この方法は、伝統的な丸目一灯のフォルムを維持したまま、夜間走行の快適性を劇的に改善できる、まさに一石二鳥の選択です。
LED化がもたらす3つの大きなメリット
- 圧倒的な明るさ: ハロゲンの約2~3倍の明るさを実現。路面の視認性が飛躍的に向上し、夜間でも安心して走れる
- 消費電力の削減: 発熱が少なく、バッテリーやオルタネーターへの負荷が軽減される
- 長寿命: ハロゲンバルブの寿命が約1,000時間なのに対し、LEDは約10,000~30,000時間。交換頻度が激減する
おすすめ製品:PHILIPS X-treme Ultinon LEDヘッドライト(H4)
世界的な照明メーカーであるPHILIPSが手がけるこのLEDバルブは、車検対応品として高い信頼性を誇ります。色温度は6,200K(ケルビン)で、純白に近い白さでありながら、保安基準で定められた「白色」の範囲内に収まるよう精密に調整されています。また、ファンレス(冷却ファン無し)設計のため、動作音が一切なく、純正と遜色ない静粛性を保ちます。
取り付けもシンプルで、H4バルブが挿さっていた純正ソケットに差し替えるだけ。コネクター形状も純正と同一のため、配線の加工や追加の電源確保は不要です。ただし、製品によっては放熱用のヒートシンク(金属の冷却部分)が大きめに設計されており、ヘッドライトケース内のスペースに収まるか事前に確認することをお勧めします。純正サイズであれば問題なく装着できます。
なお、LEDバルブへの交換は、車検時に「灯火の色」と「光度」がチェックされるため、色温度が高すぎる(青白すぎる)製品や、粗悪な製品は避けるべきです。PHILIPSやPIAAといった信頼できるメーカーの車検対応品を選べば、安心して公道を走行できます。
③ベーツライトキットでクラシックな顔つきに

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「中途半端な妥協はしたくない。レブル250を、自分の理想とする完璧なボバースタイルに仕上げたい」――そんな強い想いを持つライダーにとって、最終的な答えとなるのが、ベーツライト(またはヘッドライト本体)を丸ごと交換するカスタムです。これは、純正ヘッドライトを取り外し、小径のクラシカルな丸型ヘッドライトを専用のステーを用いて装着するという、最も本格的なアプローチとなります。
「ベーツライト」とは何か?
ベーツライトとは、1940~50年代のアメリカンカスタムシーンで絶大な人気を誇った、イギリスのBates社が製造した小径丸型ヘッドライトに由来する名称です。直径約4.5インチ(約114mm)または5.75インチ(約146mm)という、現代のバイクでは考えられないほどコンパクトなサイズが特徴で、その控えめなサイズ感が、車体全体に無骨でシンプルな雰囲気を与えます。現在では、Bates社のオリジナル品は入手困難ですが、HURRICANE(ハリケーン)やK-SPEEDといった複数のメーカーから、レブル250に適合する高品質な「ベーツタイプライト」が発売されています。
おすすめ製品:HURRICANE(ハリケーン)HS4026B ベーツライトキット
国内の信頼できるカスタムパーツメーカー、HURRICANEが手がけるこのキットは、レブル250専用に設計された取り付けステー、配線ハーネス、そして5.75インチのLEDベーツライト本体が全てセットになった、まさに「ポン付け」に近い完成度を誇ります。光源は最新のLEDで、Hi/Lo切替機能も完備。見た目はクラシックでも、中身は現代の技術が詰まった優れものです。
取り付けステーは、純正ヘッドライトが固定されていた箇所にボルトオンで装着できるよう精密に設計されており、フレームへの穴開け加工などは一切不要。配線ハーネスも純正コネクターに接続できる形状のため、電気的な知識があれば、サービスマニュアルを参照しながら自分で作業することも不可能ではありません。ただし、純正ヘッドライトケース内部には、ホーンやウインカーリレーなど複数の部品が集約されているため、それらを正しく移設する作業が必要となり、電装系に不慣れな方はプロに依頼する方が確実です。
このカスタムを施すと、フロントマスクの印象は劇的に変化します。まるでタイムマシンで50年代のカリフォルニアへと舞い戻ったかのような、味わい深い佇まいを手に入れることができるでしょう。ただし、純正の4眼LEDヘッドライトと比較すると、照射範囲や絶対的な明るさでは若干劣る場合もあります。そのため、夜間走行が頻繁なライダーは、実際の明るさを事前に確認したり、評判を調べたりすることをお勧めします。
DIYでのヘッドライト交換のやり方と難易度
レブル250のヘッドライトカスタムを自分自身の手で行う(DIY)場合の難易度は、選択するカスタムメニューによって天と地ほどの差があります。自身のスキルレベルを客観的に判断し、無理のない範囲で挑戦することが重要です。
| カスタム内容 | 難易度 | 主な作業内容 | 必要なスキル・工具 |
|---|---|---|---|
| カバー/リム取付 | ★☆☆☆☆(極めて簡単) | 接着面の洗浄・脱脂、両面テープでの貼り付け。 | パーツクリーナー、ウエス。スキルは不要。 |
| LEDバルブ交換(旧型) | ★★☆☆☆(やや簡単) | ヘッドライトケースのネジを外し、内部のコネクターとバルブを交換。 | プラスドライバー、バルブの構造に関する基本的な理解。 |
| ベーツライト交換 | ★★★★☆(難しい) | 純正ライトユニットの完全な取り外し、専用ステーの取り付け、複数配線の接続、光軸調整。 | ソケットレンチセット、配線図を読み解く知識、テスター。電気系の知識が必須。 |
カバーの取り付けは、プラモデルを作る感覚で誰でも簡単に行えます。しかし、ベーツライトへの交換は、純正ヘッドライトケース内に集中している様々な配線(ホーンやウインカーなども含まれる)を一度すべて分解し、正しく再接続する必要があるため、難易度は一気に跳ね上がります。
特にK-SPEEDなどに代表される海外製のキットは、親切な説明書が付属しないケースも多く、電気系の知識やサービスマニュアルなしでの作業は、トラブルの原因となるため絶対に避けるべきです。少しでも不安を感じたら、迷わずプロのバイクショップに依頼するのが、結果的に最も安全で確実な選択です。どのような作業を行う場合でも、感電やショートを防ぐため、作業前には必ずバッテリーのマイナス端子を外すことを徹底してください。
カスタムにかかる費用の目安は?
ヘッドライトカスタムに要する費用は、選ぶパーツの価格と、取り付けをショップに依頼する場合の工賃によって大きく変動します。計画を立てる上で、おおよその予算感を把握しておくことは非常に重要です。
- アプローチ①:ヘッドライトカバー/リム
- パーツ代:5,000円~15,000円
- 工賃:2,000円~5,000円程度(ほとんどの場合DIYで対応可能)
- アプローチ②:LEDバルブ交換(旧型)
- パーツ代:3,000円~15,000円
- 工賃:3,000円~8,000円程度
- アプローチ③:ベーツライトキット交換
- パーツ代:15,000円~30,000円(HURRICANE等のキットの場合)
- 工賃:10,000円~20,000円程度(配線作業の複雑さによる)
上記はあくまで一般的な目安であり、工賃はショップの時間あたりのレート(アワーレート)によって変動します。また、K-SPEEDなどのカウル一体型の高価なキットになると、パーツ代だけで5万円を超えることも珍しくありません。
ショップに作業を依頼する場合は、「このパーツを取り付けたいのですが」と具体的な製品名を伝えた上で、事前に総額の見積もりを取ることを強くお勧めします。そうすることで、後から予期せぬ追加料金が発生するといった事態を防ぐことができます。
車検に通る?保安基準の注意点
ヘッドライトは、夜間の安全な走行を確保するための最重要保安部品です。そのため、車検(自動車検査登録制度)においては、道路運送車両の保安基準に基づき、その性能が極めて厳しくチェックされます。せっかく時間とお金をかけてカスタムしても、車検に通らなければ公道を走行することはできません。ヘッドライトの交換や加工を行う際は、以下の保安基準を必ず遵守する必要があります。
最重要項目:光軸(こうじく)
これがヘッドライトに関する車検不合格原因の圧倒的第1位です。光軸とは、ヘッドライトが照らす光の中心が、どの方向を向いているかを示すものです。ロービーム(すれ違い用前照灯)において、この光軸が上下左右に少しでもズレていると、対向車ドライバーの目を眩惑させてしまい、大事故に繋がる危険性があります。
そのため、車検では専用のテスター(ヘッドライトテスター)を使い、10m先を照らした際に規定の範囲内に光軸が収まっているかを厳密に検査します。
ヘッドライト本体の交換や、取り付け位置の変更を行った場合は、見た目では絶対に判断できません。必ず、車検を受ける前(またはカスタムの最後)に、認証工場やテスターのあるバイクショップで光軸調整を行ってもらってください。この作業を怠ると、車検にはほぼ100%合格できません。
光度(こうど)と光色(こうしょく)
明るさ(光度)は、ハイビーム(走行用前照灯)で測定した際に1灯あたり15,000カンデラ以上あることが求められます。信頼できるメーカーの製品であれば、この基準は問題なくクリアできます。
色は、原則として「白色」と定められています。ファッション性を謳った製品の中には、極端に青白い光(色温度が8000Kを超えるようなもの)を放つものがありますが、これらは検査官に「白ではない」と判断され、不適合となる可能性が非常に高いので注意が必要です。
その他:イカリングなどの装飾灯について
ヘッドライトの周りにリング状の光を灯す「イカリング(エンジェルアイ)」などの装飾的な灯火は、「その他灯火類」という扱いで保安基準が適用されます。この基準では、色は白、黄、橙などに限定され、明るさが300カンデラを超えてはならず、点滅しないことなどが定められています。
多くの社外品はこの基準を満たしておらず、車検不適合となるリスクが非常に高いため、公道での使用を前提とするならば、避けた方が無難なカスタムと言えるでしょう。
総括:レブル250のヘッドライトがダサい悩みはカスタムで解決
今回は、多くのレブル250オーナーが一度は抱くであろう「ヘッドライトはダサいのか?」という疑問について、その背景から具体的なカスタムによる解決策まで、多角的に掘り下げてきました。
- レブル250のヘッドライトは2020年モデルからデザインが一新され4眼LEDとなった
- 「ダサい」と感じる主な原因は、クラシックな車体と未来的なライトのミスマッチ感にある
- 現行のLEDヘッドライトはデザインの好みは分かれるが、夜間走行の安全性は極めて高い
- 最も手軽な解決策は、KIJIMAのリムやK-SPEEDのカバーを取り付けることである
- カバーやリムはDIY初心者でも簡単に装着でき、費用も比較的安価に済む
- 2019年以前の旧型モデルなら、LEDバルブへの交換が安全性とスタイルを両立させる
- 究極のクラシックスタイルを求めるなら、HURRICANE等のベーツライトキットが最適解
- ベーツライトへの交換は配線作業が伴うため、DIYの難易度は非常に高い
- カスタム費用は数千円の手軽なものから、工賃込みで数万円以上かかるものまで様々だ
- ヘッドライト本体を交換した際は、車検のために専門工場での光軸調整が絶対条件である
- 車検では光軸のズレが不合格の最大の原因となるため、自己判断は禁物である
- ライトの色は保安基準で「白色」と定められており、青すぎる光は不適合となる
- イカリングなどの後付け装飾灯は、多くの場合で保安基準を満たさず車検に通らない
- Sエディションのヘッドライトカウルは、4眼LEDの印象を和らげる効果がある
- 自身の予算、スキル、そして理想のスタイルを明確にし、最適なカスタムを選ぶことが大切だ
最後に
今回は、レブル250のヘッドライトが「ダサい」と言われる理由と、その印象を変えるための3つの簡単なカスタム方法について解説しました。
クラシックな車体と未来的な4眼LEDヘッドライトのミスマッチ感が主な理由であり、この「悩み」はカスタム次第で大きな「お気に入り」ポイントに変えられることをご理解いただけたのではないでしょうか。
特に、手軽なカバーの装着から本格的なベーツライトへの交換まで、自分のスタイルや予算に合わせた選択が可能であり、交換後の光軸調整がいかに重要かもお分かりいただけたかと思います。
レブル250のカスタムにさらに興味を持たれた方は、全体のスタイルを決定づけるマフラー交換に関する記事も参考になるでしょう。
また、乗り心地に直結するシートカスタムについても、あわせてご覧いただくことをおすすめします。