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憧れのストリートツインの欠点とは?熱と5速の不満を解消する知恵

憧れのストリートツインの欠点とは?熱と5速の不満を解消する知恵

image: bikerbikest.com

トライアンフのストリートツインは、大型バイクへのエントリーとしても、ベテランの上がりの一台としても、極めて高い人気を誇るモダンクラシックの傑作です。私自身、ゼネコンのエンジニアとして造りの良さには厳しい目を持っているつもりですが、このバイクの佇まいは確かに所有欲をくすぐるものがあります。ですが、そんな憧れのバイクにも、スペック表を眺めているだけでは見えてこない、リアルな生活上の不都合が潜んでいますよ。

特に、日本の高温多湿な夏や、都市部の慢性的な渋滞、そして100km/hを超える高速巡航。これらは英国生まれのストリートツインにとって、ある種の試練とも言えるシチュエーションです。せっかく手に入れた愛車が、夏には熱すぎて乗るのが嫌になるとか、高速道路でもう一段ギアが欲しくて右足が虚空を掻くなんてことになれば、せっかくのバイクライフも台無しですよね。

そこで今回は、24年のバイク歴で培った私の視点から、ストリートツインが抱える欠点の正体を徹底的に解剖します。単なる悪口ではなく、なぜその設計になったのかという背景や、どうすればその不満を解消して快適に乗れるのかという具体的な解決策まで踏み込んでいきます。これを読み終える頃には、あなたがストリートツインの欠点を許容できる個性として愛せるか、あるいは別のモデルを探すべきかの答えがはっきり出ているはずですよ。さあ、真のバイクライフの扉を開けてみましょうか。

この記事を読むと分かること

  • 5速ミッションが高速巡航時の回転数や疲労にどう影響するか
  • 真夏の右足を直撃する排熱問題の物理的な正体と具体的な防衛術
  • 12Lという小容量タンクが強いるツーリング計画の制約と給油戦略
  • 2019年モデルを含む最新の足回り・ブレーキの進化と、中古車選びの注意点

ストリートツインの欠点は、果たして愛車選びの致命傷になるのでしょうか。それとも、工夫次第で愛せる個性へと昇華できるものなのか、エンジニア的な視点も交えながら詳しく見ていきましょう。

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ストリートツイン欠点を検証して後悔しない選び方

ストリートツイン欠点を検証して後悔しない選び方

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ストリートツインを検討する際に避けて通れないのが、カタログ上の美しさとは裏腹に、実際の走行シーンで直面する物理的な制約です。ここでは、オーナーが最も頭を悩ませるポイントを深掘りしていきましょう。

右足を直撃するエンジンの排熱と夏場の注意点

右足を直撃するエンジンの排熱と夏場の注意点

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ストリートツインはStreetの名を冠しながらも、皮肉なことにストップ&ゴーの多い日本の都市部こそが最も苦手なシチュエーションかもしれません。その最大の理由は、ライダーの右足を容赦なく襲うエンジンの排熱にあります。

水冷エンジン化によって全体的な冷却効率は向上していますが、渋滞時などにラジエーターファンが作動すると、その熱風の逃げ場がライダーの右膝や太もも内側を直撃するような空力特性になっているんです。これに加えて、右側に配置されたエキゾーストパイプからの輻射熱も加わり、真夏の信号待ちではデニム越しでも火傷しそうな熱さを感じることも珍しくありません。

この熱集中は、右側に配置されたアップスウィープ気味の排気レイアウトと複合し、夏季においては耐え難いレベルに達することがあります。設計段階での数値流体力学解析において、ライダーの快適性よりもエンジンの冷却効率やコンポーネントの配置が優先された結果であると推察されます。

注意点:街乗りメインで考えている方は、メッシュパンツだけでなく、内ももに断熱材が入ったレザーパンツの併用や、停車時に足を着く位置を工夫するなどの対策が必要になるかもしれません。

momo
夏場の渋滞は本当に修行だね。熱対策のボトム選びが重要になりそう!

高速道路で痛感する5速ミッションの限界と振動

高速道路で痛感する5速ミッションの限界と振動

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ストリートツインに関して、最も多くのオーナーが口にする不満が5速ミッションの採用です。現代の大型バイクでは6速が当たり前の中、トライアンフは本モデルにおいて頑なに5速を採用し続けています。

メーカー側は低回転域で最大トルクを発生させる特性に合わせ、頻繁な変速を不要にする意図があると説明していますが、高速道路での運用においてこの設計はライダーに幻の6速を探させるという常態的なストレスを強いる結果となっています。時速100km〜120kmでの巡航時、エンジン回転数は約3,800〜4,500rpm付近に達します。

巡航回転数の高さは、NVH(騒音・振動・ハーシュネス)の観点からも不利に働きます。高速巡航時に高回転を維持し続けると、心地よいパルス感は不快な微振動へと変化し、ハンドルバーやフットペグを通じて伝達されるこの高周波振動は、長時間走行後に手の痺れや疲労感を引き起こす主因となります。

100km/h巡航で約3,800rpm……。6速があればもっと余裕が生まれるのに、惜しいよね。
tomo

タンク容量12Lで気になる燃費と航続距離の実態

ロングツーリングを愛するライダーにとって、燃料タンク容量がわずか12Lという点は、常に頭の隅に置いておくべき制約となります。大型バイクの多くが15Lから20L程度のタンクを備える中で、12Lという数字は、ツーリング計画において給油所探しという心理的負荷をライダーに強いることになります。

比較項目 ストリートツイン モト・グッツィ V7
タンク容量 12L 21L
推定航続距離 約250-300km 約400-500km

実走行での燃費はリッターあたり20〜28km程度と幅があり、街乗り中心なら22km/L前後、ツーリングなら25km/L程度が目安です。計算上は250〜300kmの航続距離となりますが、実際には200kmを超えたあたりで給油警告灯への不安が生じ始めます。これは長距離ツーリングにおいて、ルート計画の自由度を著しく制限する要因となります。

KYB製サスペンションの減衰力不足と挙動の変化

コストパフォーマンスを重視した結果、最もコスト削減の対象となったのがサスペンションシステムです。純正採用されているKYB製のツインショックは、基本的なプリロード調整機能しか持たず、ダンピング(減衰力)調整機構を持たない廉価版です。

路面の段差を通過した際、スプリングの反発を抑え込むだけの十分な減衰力が発生せず、車体が複数回上下に揺れ続けるポーゴスティック現象が発生しやすくなっています。これは高速コーナーにおいてリアタイヤの接地感を希薄にし、車体が外側へと膨らむアンダーステア傾向や、不安定なウィービングを誘発します。

タンデム走行時や大きな入力があった際、サスペンションが容易にフルボトム(底付き)し、その衝撃が直接ライダーの脊椎へと伝達されるという報告もあります。ワインディングを積極的に楽しみたいライダーにとって、この足回りは明確な弱点となります。

お尻が痛くなると評判のシートとツーリングの疲労

ストリートツインのシートはスタイリングを優先したフラットな形状ですが、クッション材が薄く、人間工学的なサポートに欠けています。1時間も乗ればお尻が痛くなるという不満はオーナー間で共通認識となっており、長時間のライディングには耐え難いという声が多く聞かれます。

足つき性を優先してシート高を低く抑えた代償として、長距離走行時の快適性が犠牲になっている側面は否定できません。見た目の美しさと快適性のトレードオフは、モダンクラシックというジャンルに共通する課題ではありますが、ストリートツインは特にその傾向が顕著です。

補足・豆知識:見た目を崩さずに改善したい場合は、トライアンフ純正のコンフォートシートへの交換や、社外製シートへの換装が推奨されますが、これらは数万円の追加出費を伴うことを覚悟する必要があります。

yuka
見た目は最高なんだけどね……。お尻の痛みを我慢して走るのは、やっぱり大人のバイクライフとは言えないかも。

低重心な車体でも油断できない車重と取り回し

ストリートツインの乾燥重量は約198kg、装備重量では約216kgに達します。シート高が760mm付近と非常に低いため足つき性は抜群ですが、その代償としてバンク角は犠牲になっています。

ステップのバンクセンサーは比較的浅い角度で路面と接触するため、交差点を少し元気に曲がろうとしただけでガリガリという音とともに接地することは日常茶飯事です。単に音が不快であるだけでなく、路面のうねりでサスペンションが沈み込んだ状態で接地した場合、ステップが支点となってリアタイヤが浮き上がるリスクがあります。

これは転倒に直結する危険な挙動であり、スポーツライディングを楽しみたいユーザーにとっては大きな制約となります。低重心設計がもたらす安定感と引き換えに、バンク角という自由度を失っているわけです。

ストリートツイン欠点の対策と中古車選びのポイント

ストリートツイン欠点を検証して後悔しない選び方

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ストリートツインにはいくつかの欠点がありますが、実は年式の選び方や適切な対策を知っていれば、その多くをカバーすることが可能です。後悔しないための具体的なチェックポイントを見ていきましょう。

前期型と後期型で異なる出力特性と10馬力の差

中古車市場でストリートツインを探す際、最も重要なのが2019年前後での性能格差です。2016-2018年モデル(前期型)の最高出力は55PSでしたが、2019年モデル以降(後期型)は65PSへと約18%向上しています。

エンジン内部部品の軽量化により、吹け上がりが鋭くなり、前期型で感じられた高回転域の詰まり感が解消されています。前期型はトルク重視ですが、高回転域での伸びが頭打ちになりやすく、スポーツライディングにおいては回しても楽しくないという評価が定着していました。

予算が許す限り、走りの質が根本的に改善された2019年モデル以降を選択することを強く推奨します。10馬力の差は数値以上に体感差が大きく、中古車価格の差額を十分に正当化できる改良内容です。

ブレーキ性能の向上とBremboキャリパーの恩恵

ブレーキ性能の向上とBremboキャリパーの恩恵

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エンジンの出力向上以上に、日常的な安全性と満足度に直結するのがブレーキシステムの変更です。前期型がNissin製2ピストンキャリパーを採用していたのに対し、後期型はBrembo製4ピストンキャリパーを標準装備しています。

前期型のブレーキは効きが甘い、タッチがスポンジーと評されることが多く、制動力不足は安全上の懸念事項でもありました。後期型での改善は著しく、レバー操作に対するリニアな応答性と、強力かつコントロールしやすい制動力が得られるようになっています。

これにより前期型の中古市場における競争力は大きく損なわれています。ブレーキの強化は、単なる制動力アップだけでなく、コントロール性の向上にも寄与しており、より安心して走れるようになっています。

momo
ブレーキは命に関わる部分だからね。Bremboの安心感は外せないポイントだよ!

ハーネス断線やリンケージ脱落のリコール履歴

ハーネス断線やリンケージ脱落のリコール履歴

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ストリートツインに関しては、設計段階での見落としに起因する重大なトラブル事例が複数確認されています。中古車購入時には、以下のリコール対策が実施済みか必ず確認してください。

  • ワイヤーハーネスの干渉(SRAN 584):ヘッドストック周りのハーネスが物理的に干渉して断線し、走行中に突然エンジンが停止するリスク
  • ギアセレクターリンケージの不具合(SRAN 569):シフト操作部のボルト緩みによりリンケージが脱落し、変速が不可能になるリスク

特にワイヤーハーネスの問題は、夜間走行中や高速道路での追い越し中に発生すれば致命的な事故につながる可能性があり、中古車選びではVINチェックが不可欠です。販売店に対して、これらのリコール対応が確実に実施されているかを書面で確認することを強く推奨します。

メンテナンス費用と部品供給のリードタイム

輸入車であるトライアンフは、日本国内において部品供給のリードタイムが長い傾向にあります。一般的な消耗品は在庫されていますが、特定のパーツが必要になった場合、イギリス本国からの取り寄せとなり、数週間から時には2ヶ月以上の待機期間が発生する事例もあります。

これは事故や故障の際にバイクに乗れない期間が長期化するリスクを意味します。また、部品単価自体も国産車と比較して高額である傾向があり、維持費の面でも一定の覚悟が必要です。正規ディーラーでの整備を前提とすると、年間維持費は国産車の1.5倍程度を見込んでおくべきでしょう。

部品待ちで1ヶ月以上バイクに乗れないなんてこともあるんだ。セカンドバイクがあると安心かもね。
tomo

カワサキW800や他メーカー競合モデルとの比較

同じモダンクラシックというカテゴリーで比較されることの多いカワサキ W800は、ベベルギア駆動の空冷エンジンや金属パーツを多用した仕上げなど、クラシックとしての質感を徹底的に追求しています。対してストリートツインは、サイドカバー周りなどにプラスチックパーツを使用しており、近くで見ると質感においてW800に見劣りするという指摘もあります。

一方で、ストリートツインは水冷化による現代的な出力特性や電子制御の充実、そして低いシート高による抜群の足つき性が強みです。W800のシート高は約790mmと、ストリートツインより30mm高く、小柄なライダーにとっては足つきに不安が残る場合があります。

伝統的な造形美と質感を追求するか、現代的な使い勝手と足つき性を取るかが比較のポイントになります。どちらが優れているかではなく、あなたのバイクライフのスタイルに何が適しているかという視点で選ぶべきでしょう。

足回りのカスタムに必要となる追加予算の目安

ストリートツインの欠点の多くはカスタムで解決可能ですが、それには相応の予算が必要です。純正サスペンションの性能不足を補うために、多くのオーナーがオーリンズやナイトロン、Tec Bike Partsなどへの換装を行っています。

  • リアサスペンション交換:約10万円〜20万円(オーリンズやナイトロンなど)
  • コンフォートシート交換:約3万円〜5万円(純正または社外品)
  • 排熱対策パーツ:約1万円〜3万円(ヒートシールド等)

これらを必須カスタムとして捉えると、車両価格に加えて十数万円の追加投資が必要になり、実質的な所有コストを引き上げる要因となります。ただし、これらの投資によって得られる快適性と走行性能の向上は、決して小さくありません。

総括:ストリートツイン欠点を理解して楽しむ方法

ここまで見てきた通り、ストリートツインには無視できない構造的・機能的な欠点が存在しますが、それを理解した上で付き合えば非常に魅力的な一台となります。欠点を知ることは、適切な対策を講じるための第一歩であり、決してこのバイクを否定するものではありません。

yuka
最後に、今回の記事内容のポイントをまとめます。
  • 5速ミッション採用により高速巡航時に幻の6速を探してしまうストレスがある
  • 高速走行時のエンジン回転数が高く不快な微振動が発生し手の痺れの原因となる
  • ラジエーターファンからの熱風が右足を直撃し夏季の市街地走行は非常に熱い
  • 燃料タンク容量が12Lと小さく長距離ツーリングでは頻繁な給油が必要になる
  • 2018年モデル以前の前期型は55馬力で高回転域の伸びに欠ける
  • 2019年以降の後期型は65馬力にパワーアップしブレーキもBrembo化された
  • 純正リアサスペンションは減衰力が不足し段差で車体が跳ねやすい
  • サスペンションの底付き感がありタンデム走行や段差通過時に衝撃が伝わる
  • シートが薄く硬いため1時間程度の走行でお尻に痛みを感じやすい
  • 足つき性は良いがバンク角が浅く交差点などでもステップを擦りやすい
  • ワイヤーハーネスの干渉断線やシフトリンケージ脱落のリコール履歴がある
  • 輸入車ゆえに部品供給に時間がかかる場合があり修理時のダウンタイムが長い
  • サイドカバー等にプラスチックが多用され質感にコストダウンを感じる箇所がある
  • 欠点を解消するためにサスペンションやシートの交換予算を見ておく必要がある
  • 街乗りや短距離ツーリング重視なら最高の相棒になる未完成の素材である


最後に

今回は、ストリートツインの欠点について解説しました。5速ミッションによる高速域での振動や、右足を直撃する排熱、12Lという小容量タンクなど、モダンクラシックゆえの不便さは確かに存在します。しかし、それらは2019年以降のモデルを選んだり、サスペンションを交換したりといった工夫で十分に補えるレベルであることが分かりましたね。欠点さえも育てる楽しみとして捉えることが、このバイクと長く付き合うための最大の秘訣ですよ。

ストリートツインの購入を本格的に検討されている方は、失敗しないための中古バイク選びのチェックポイントもぜひ併せて読んでみてください。外車特有の故障リスクを回避し、エンジニアの目線で当たり個体を見分けるための具体的な方法を詳しく解説しています。高額な買い物で後悔しないための必読コンテンツです。

また、維持費に不安があるなら、実際の年間メンテナンス費用を公開した記事も参考になるはずです。リアルな出費のイメージを掴むことで、安心して憧れのバイクライフへ一歩踏み出せますよ。

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