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BMW S1000RRおすすめ年式について知りたいと思っているライダーのみなさん。2009年のデビュー以来、3世代にわたって進化を続けてきたS1000RRは、年式によって特徴や性能が大きく異なります。
どの年式を選ぶべきか悩まれている方も多いのではないでしょうか。実は、最新モデルが必ずしも最適とは限らず、あなたのライディングスタイルや予算に合わせた「ベストな年式」が存在するのです。
結論から言うと、サーキット走行を重視するなら2019年以降の第三世代、ツーリングなどの多様な用途に使うなら2015-2018年の第二世代、コストパフォーマンスを重視するなら2012-2014年の初代後期モデルが最適です。
この記事を読むと分かること
- 各年式の違いと特徴を詳しく知ることができる
- 自分のライディングスタイルに合った最適な年式を選べるようになる
- 維持費や故障率など、購入後に知っておくべき情報がわかる
- 中古車選びで失敗しないためのポイントがわかる
この記事では、S1000RRのすべての年式を徹底分析し、あなたのライディングスタイルに合った最適な選択ができるよう、具体的なアドバイスをお届けします。
BMW S1000RRのおすすめ年式と購入前に知るべき特徴

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BMW S1000RRの各年式には、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。まずは各モデルの特徴を理解し、自分に合った年式を選ぶための基礎知識を身につけましょう。
- 各年式の違いとモデルチェンジの変遷
- 初代モデル(2009-2014)の特徴と中古での注意点
- 2015-2018年式の大幅進化と乗り味の変化
- 現行モデル(2019-)の最新性能と技術革新
- 「壊れやすい」という評判の真相と年式別の弱点
- 寿命を延ばすためのメンテナンス方法と対策
各年式の違いとモデルチェンジの変遷
BMW S1000RRは2009年に初めて発表され、これまでに3世代のモデルが登場しています。
第一世代(2009年-2014年)は、BMWがスーパースポーツカテゴリーに本格参入した記念すべきモデルです。
特徴的なアシンメトリーのヘッドライトデザインと、当時としては画期的だった電子制御システムを搭載し、リッタースポーツ界に革命を起こしました。
第二世代(2015年-2018年)では、エンジンが一新され、より高回転型になりました。
外観もシャープさを増し、電子制御サスペンションをはじめとする先進技術が追加されています。
2019年に登場した第三世代は、フレームとエンジンを完全に新設計し、大幅な軽量化と剛性アップを実現。さらに空力性能も向上させています。
2023年モデルからはウイングレットが追加され、高速走行時の安定性がさらに向上。各世代で大きく進化を遂げているのがS1000RRの特徴です。
年式による変化を大まかに見ると、初期モデルは純粋なスポーツ性能を追求したシンプルな設計である一方、新しいモデルになるほど電子制御が洗練され、より安全かつ快適に高性能を引き出せるよう進化しています。

初代モデル(2009-2014)の特徴と中古での注意点
初代S1000RRは、BMWが「もし本気を出したらこれくらい作れる」と世界に示した衝撃作です。
193馬力(日本仕様は156馬力に制限)を発揮する水冷直列4気筒エンジンと、同クラスの日本車と比べても引けを取らない軽量なシャシーを組み合わせました。
特に2012年以降のモデルでは、トラクションコントロールやライドモードなどの電子制御が強化され、より扱いやすくなっています。
デザイン面では、左右非対称のヘッドライトがトレードマークとなっており、今でも根強いファンがいます。
中古車を検討する際の注意点としては、初期型特有の電子制御システムのトラブルが挙げられます。
特に、センサー類の故障やECU関連の不具合が報告されているため、購入前には専門店での点検が必須です。
また、冷却系統のトラブルも発生しやすいため、オーバーヒート歴がないかしっかり確認しましょう。
中古市場での価格は比較的安定しており、100万円前後から良好な状態の個体が見つかります。
しかし、部品供給については新しいモデルより不利な点もあり、修理が必要になった場合のコスト面も考慮する必要があります。
とはいえ、初代モデルならではの素直な乗り味と、アナログ感覚のあるダイレクトなフィードバックは、多くのライダーを魅了し続けています。
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2015-2018年式の大幅進化と乗り味の変化
2015年にフルモデルチェンジしたS1000RRは、外観だけでなく内部構造まで大幅に刷新されました。
エンジンの最高出力は199馬力に向上し、フレーム剛性も最適化。電子制御サスペンション(DDC)がオプションで装備可能になり、路面状況に応じた最適な減衰力を自動調整できるようになりました。
この世代の大きな特徴は、レインからレースまで選べる複数のライディングモードと、それに合わせて変化するエンジン特性・トラクションコントロール設定です。
実際にサーキットでの使用を考慮した作りになっており、初代モデルよりも高速域での安定性が向上しています。
乗り味については、初代モデルのやや野性的な特性から、より洗練された扱いやすい特性へと変化しました。
低速トルクも改善され、街乗りでの取り回しも以前より容易になっています。
また、クイックシフター(シフトアシスト)が標準装備となり、クラッチを使わずにシフトアップ・ダウンができるようになったことも大きな進化です。
中古車市場では、この世代のモデルは初代と3代目の間を埋める絶妙な選択肢として人気があります。
特に2016年のセレブレーションエディションなど特別仕様車は、デザイン性と性能のバランスが取れた人気モデルとなっています。
維持費面でも初代モデルより部品供給が安定しており、長く乗り続けることを考えるならこの世代がコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

現行モデル(2019-)の最新性能と技術革新
2019年に登場した第三世代S1000RRは、エンジンとフレームを一から設計し直した革新的なモデルです。
アルミニウム製のブリッジフレームとエンジンを一体化することで、大幅な軽量化を実現しました。
最高出力も207馬力に向上し、エンジンはシフトカム技術(BMW独自の可変バルブタイミング機構)を採用することで、低回転から高回転まで幅広いレンジでパワーを発揮します。
外観も大きく変わり、アシンメトリーデザインからシンメトリーなデザインへと変更。LEDヘッドライトを採用し、よりモダンな印象になりました。
最新の2023年モデルでは、さらにウイングレットが追加され、高速走行時に17.1kgものダウンフォースを生み出すとされています。
電子制御面でも大きく進化し、6軸IMU(慣性計測ユニット)を搭載したことで、コーナリング時のABSやトラクションコントロールがさらに精密に作動するようになりました。
また、TFTカラーディスプレイの採用により、走行情報の視認性も大幅に向上しています。
乗り味については、軽量化とフレームの最適化により、取り回しやコーナリング性能が向上。
特にMパッケージでは、カーボンホイールやレース用パーツが装備されており、サーキット走行を楽しみたいライダーにとって理想的な性能を備えています。
価格面では中古でも高値で取引されていますが、最新技術の恩恵を享受できるコストとしては妥当と言えるでしょう。
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「壊れやすい」という評判の真相と年式別の弱点
S1000RRは「壊れやすい」という評判が一部で聞かれますが、実際にはどうなのでしょうか。
結論から言うと、適切なメンテナンスを行えば決して壊れやすいバイクではありません。
しかし、国産スーパースポーツと比較すると、電子制御システムのトラブルが発生する確率は若干高い傾向があります。
初代モデル(2009-2014)では、センサー類の不具合やECU関連のトラブルが報告されています。
特に、冷却系統のオーバーヒート問題は注意が必要で、高温時の渋滞走行などではエンジン温度に気を配る必要があります。
第二世代(2015-2018)では、初期型の問題点が多く改善されましたが、電子制御サスペンション(DDC)装着車では、経年劣化によるセンサー不良が発生することがあります。
また、チェーンの錆びやすさも所有者から指摘されており、こまめなメンテナンスが求められます。
現行の第三世代(2019-)は、品質管理の向上により全体的な信頼性は高まっていますが、電子機器の複雑化に伴い、電気系統のトラブルシューティングには専門知識が必要となる場合があります。
特に注意すべきは、どの世代でも共通して言えることですが、メンテナンス履歴が不明確な中古車は避けるべきです。
S1000RRは定期的なメンテナンスをしっかり行うことで、長期間にわたって高い性能を維持できるバイクです。

寿命を延ばすためのメンテナンス方法と対策
S1000RRの寿命を延ばすためには、適切なメンテナンスが不可欠です。
一般的に適切に管理されたS1000RRであれば、5万kmから8万kmは問題なく走行できるとされています。
まず重要なのは、オイル交換を定期的に行うことです。高性能エンジンを搭載しているため、メーカー推奨の6,000km〜10,000kmよりも短いサイクル(3,000km〜5,000km)でのオイル交換が理想的です。
また、冷却系統のメンテナンスも寿命を左右する重要なポイントです。
冷却水の定期交換(2年に1回程度)と、ラジエーターの清掃を怠らないようにしましょう。
電子制御が豊富なS1000RRでは、バッテリーの状態も重要です。
特に冬季や長期間乗らない場合は、バッテリーテンダーを使用して充電状態を維持することをおすすめします。
チェーンのメンテナンスも欠かせません。S1000RRのチェーンは錆びやすいという声もあるため、こまめな清掃と注油を心がけましょう。
年式ごとの注意点としては、初代モデルでは電子制御系統のチェック、第二世代ではDDC(電子制御サスペンション)の点検、第三世代では複雑化したセンサー類の状態確認が重要です。
定期的にBMW正規ディーラーや専門店での点検を受けることで、潜在的な問題を早期に発見し、対処することができます。
これらのメンテナンスを適切に行うことで、S1000RRは長期間にわたって高いパフォーマンスを維持できるバイクとなるでしょう。
BMW S1000RRの選び方と購入時のポイント

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S1000RRを購入する際には、自分のライディングスタイルや予算、使用目的に応じた年式選びが重要です。ここでは、より具体的な選び方や購入時のチェックポイントについて解説します。
- 年式によって異なる年間維持費と経済性
- ロングツーリングの快適性と年式別の比較
- 購入後に後悔しないための年式選びポイント
- レッドバロンなど大手での中古車購入のメリット
- 年式ごとに異なる熱対策と改善方法
- 「曲がらない」という評判の真実と操縦性改善策
- あなたのライディングスタイルに合うおすすめ年式
- 総括:S1000RRおすすめ年式はあなたの用途次第
年式によって異なる年間維持費と経済性
S1000RRの維持費は年式によって異なりますが、一般的な年間維持費は30万円から50万円程度と考えておくとよいでしょう。
初代モデル(2009-2014)は、購入価格は安いものの、経年による部品の劣化や、生産終了パーツの調達コストを考慮する必要があります。
初期投資は100万円前後からと手頃ですが、予期せぬ修理が発生した場合のコストは高くなる可能性があります。
第二世代(2015-2018)は、信頼性が向上した一方で、電子制御サスペンションなどの高度な機能を搭載したモデルでは、それらの修理費用が高額になることがあります。
中古車価格は150万円前後からとなり、維持費はやや抑えられる傾向にあります。
現行の第三世代(2019-)は、最新技術を搭載したぶん初期不良などのリスクは低いですが、部品代や修理工賃は最も高額になります。
新車で300万円前後、中古でも200万円以上することが多く、初期投資は大きくなります。
どの年式でも共通する維持費としては、以下のものが挙げられます:
- オイル交換:1回あたり1万円前後(年2〜3回)
- タイヤ交換:1セット5万円前後(走行距離による)
- チェーン・スプロケット:交換時15万円前後
- 定期点検:1回2〜5万円(年1〜2回)
- 保険料:年間5〜10万円
燃費については、どの年式も似たような数値となり、リッターあたり15km前後が平均的です。
経済性を重視するなら、第二世代(特に2015-2016年式)がバランスの良い選択と言えるでしょう。
初期不良の改善された信頼性の高いモデルであり、修理部品の入手性も良好で、価格も手頃になってきています。
どの年式を選ぶにせよ、事前に予備費を含めた維持費計画を立てておくことが重要です。

ロングツーリングの快適性と年式別の比較
S1000RRはスーパースポーツバイクですが、他のリッタースポーツと比較するとツーリング適性が高いとの評価もあります。
年式別にロングツーリングの快適性を見ていきましょう。
初代モデル(2009-2014)は、ポジションが他のスーパースポーツより若干楽な設定になっています。
しかし、グリップヒーターやクルーズコントロールといった快適装備はオプション扱いで、標準では装備されていないことが多いです。
第二世代(2015-2018)からは、グリップヒーターの標準装備化や、クルーズコントロールのオプション設定など、ツーリング性能が向上しました。
また、シート形状も改良され、長時間乗車時の疲労が軽減されています。
電子制御サスペンション(DDC)を装備したモデルでは、路面状況に応じた最適な設定が自動で行われるため、長距離走行時の快適性が大幅に向上します。
現行の第三世代(2019-)では、クルーズコントロールが標準装備となり、より洗練されたライディングポジションが採用されています。
TFTディスプレイの採用により情報の視認性も向上し、ツーリング時の利便性が高まっています。
ただし、タンク容量は初代・第二世代の17.5Lから16.5Lに減少しており、航続距離はやや短くなっている点には注意が必要です。
長距離ツーリングを楽しむ上での重要ポイントは次の通りです:
- 風防効果を高めるためのスクリーンの交換
- シートの形状や硬さの改善(クッション性の高いシートへの交換)
- 荷物積載のためのタンクバッグやシートバッグの活用
- 長時間走行時の疲労軽減のためのハンドルポジション調整
結論として、ロングツーリングを重視するなら、グリップヒーターやクルーズコントロールが標準もしくは後付けされている第二世代以降のモデルがおすすめです。
特に2017-2018年式は、快適装備と性能のバランスが取れており、長距離走行に適していると言えるでしょう。
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購入後に後悔しないための年式選びポイント
S1000RRを購入する際、どの年式を選ぶかで後悔するケースも少なくありません。それを避けるための重要なポイントを紹介します。
まず、自分のライディングスタイルに合った年式を選ぶことが最も重要です。
サーキット走行や峠での攻めた走りを楽しみたいなら、最新の電子制御を備えた2019年以降のモデルが適しています。
一方、ツーリングや街乗りがメインなら、第二世代(2015-2018)がバランス良く使えるでしょう。
コストパフォーマンスを重視するなら、初代後期モデル(2012-2014)も選択肢に入ります。
購入後によくある後悔ポイントとして、「維持費が想像以上に高かった」という声があります。
特に初代モデルは安く購入できても、その後の部品代や修理費用が高額になることがあるため注意が必要です。
また、「前傾姿勢がきつすぎた」という後悔も多いです。
試乗する機会があれば必ず試乗し、長時間乗っても疲れないかを確認しましょう。
中古車購入で後悔しないためには、走行履歴や整備記録をしっかり確認することが欠かせません。
特に電子制御が豊富なS1000RRでは、定期的なメンテナンスがされていない車両は思わぬトラブルの原因となります。
年式選びの具体的なポイントは次の通りです:
- 2015年以降のモデルはシフトアシストが標準装備で乗りやすい
- 2017年以降はユーロ4対応でより環境性能が向上
- 2019年以降は大幅に軽量化されており、取り回しが向上
- Mパッケージは性能は高いが、維持費も比例して高くなる
- 2016年のセレブレーションエディションなど限定モデルは資産価値が高い
最終的には、予算とライディングスタイル、そして所有することの満足感を総合的に考慮して選ぶことが、後悔のない選択につながるでしょう。

レッドバロンなど大手での中古車購入のメリット
S1000RRの中古車購入を検討する際、レッドバロンなどの大手中古バイク販売店を利用するメリットは少なくありません。
最大のメリットは、車両状態の透明性と保証制度の充実です。
大手販売店では、入庫時に専門スタッフによる徹底した点検が行われ、問題がある箇所は修理・調整されています。
特にS1000RRのような電子制御が豊富なバイクでは、個人間取引では見抜けないトラブルがあるケースも少なくありません。
また、レッドバロンなどの大手店では独自の保証制度が用意されていることが多く、購入後に発生したトラブルにも対応してもらえる安心感があります。
BMW正規ディーラーで中古車を購入する場合は、BMWの認定中古車制度「BMWプレミアムセレクション」による最長2年間の保証が付くことがあり、より安心感が高まります。
ローン・クレジットの利用のしやすさも大きなメリットです。
個人間取引に比べて手続きが簡単で、審査も通りやすい傾向にあります。
さらに、大手店ではカスタムパーツや保険、メンテナンスパックなど、バイクライフをトータルでサポートするサービスが充実しています。
一方、デメリットとしては価格が個人間取引よりも高くなる点が挙げられます。
これは前述のような各種サービスや保証のコストが含まれているためです。
S1000RRのような高性能マシンでは、後々のトラブルリスクを考えると、多少価格が高くても安心を買うという考え方も重要です。
特におすすめなのは、下取り車や試乗車として使用されていたものを購入するケースです。
これらは走行履歴が明確で、定期的なメンテナンスが行われていることが多いため、中古車の中でも比較的コンディションが良好な傾向にあります。
結論として、S1000RRのような高性能車の中古購入では、個人間取引の価格メリットよりも、大手店舗の安心感を選ぶことが長期的には賢明な選択となるケースが多いでしょう。
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年式ごとに異なる熱対策と改善方法
S1000RRは高出力エンジンを搭載しているため、発熱量が多く、特に夏場や渋滞時には熱問題が顕著になります。
年式ごとの熱問題と対策を見ていきましょう。
初代モデル(2009-2014)は、フレーム構造上、エンジンからの熱がライダーの太ももに直接伝わりやすい設計になっています。
多くのオーナーが「夏場の渋滞時は火傷しそうになる」と報告しており、熱対策は必須と言えるでしょう。
対策としては、ラジエターガードの装着、ヒートガードの追加、フレームプロテクターの装着などが効果的です。
第二世代(2015-2018)では、エンジン制御プログラムの改良により、アイドリング時の発熱が抑えられるようになりました。
しかし、依然としてフレームへの熱伝導の問題は残っており、特に夏場の長時間の低速走行では熱問題が発生します。
純正でラジエターガードが装備されているモデルが増えましたが、追加のヒート対策パーツの装着は検討すべきでしょう。
現行の第三世代(2019-)では、フレーム設計が見直され、熱伝導性が改善されています。
特に膝周りへの熱伝導が低減され、以前のモデルと比較して快適性が向上しました。
しかし、高出力エンジンであることに変わりはなく、完全に熱問題が解消されたわけではありません。
年式を問わずS1000RRオーナーにおすすめの熱対策は以下の通りです:
- ラジエターガードの装着(純正またはアフターマーケット品)
- サーモスタットの交換(開弁温度を低くするタイプ)
- ヒートガードやフレームプロテクターの装着
- 耐熱性の高いライディングパンツの着用
- 渋滞時はこまめにエンジンを停止する
熱問題をもっとも気にするなら、第三世代(2019-)のモデルが最もおすすめですが、どの年式でも適切な対策を施すことで快適性を向上させることが可能です。
特に真夏のツーリングや都市部での使用が多い方は、購入時から熱対策を念頭に置いたプランニングが必要でしょう。
「曲がらない」という評判の真実と操縦性改善策
S1000RRには「曲がりにくい」という評判がありますが、これは完全な誤解ではないものの、正確でもありません。
実際には、S1000RRは他のリッタースポーツと比較しても、コーナリング性能は決して劣っていません。
この「曲がらない」という評判は、初代モデルの特性と、ライダーのセッティングやライディングスタイルに起因する面が大きいと言えます。
初代モデル(2009-2014)は、高速安定性を重視した設計で、ステアリングアングルがやや緩めに設定されていました。
そのため、クイックなハンドリングというよりは、安定感のある旋回特性を持っていました。
第二世代(2015-2018)からは、フレームジオメトリーが見直され、より俊敏な操縦性を獲得。
電子制御サスペンション(DDC)装備車では、走行状況に応じた最適なセッティングが自動で行われるため、コーナリング性能も向上しています。
現行の第三世代(2019-)は、大幅な軽量化(前モデル比11kg減)とフレーム剛性の最適化により、さらに俊敏なハンドリングを実現しています。
特にMパッケージに装備されるカーボンホイールは、バネ下重量の軽減によりコーナリング性能を大きく向上させます。
どの年式でも、操縦性を改善するためのポイントは次の通りです:
- タイヤ選びとエアプレッシャーの最適化
- サスペンションセッティングの調整(特にフロントフォークのプリロード)
- バネ下重量の軽減(軽量ホイールなど)
- ライディングポジションの見直し(特に上体の使い方)
- トリプルクランプの交換(オフセット変更)
実際のところ、S1000RRはどの年式でも高いポテンシャルを持っており、適切なセッティングとライディングテクニックによって、素晴らしいコーナリング性能を発揮します。
「曲がらない」という評判は、バイク自体の性能というよりも、ライダーとバイクのマッチングやセッティングの問題であることが多いのです。

あなたのライディングスタイルに合うおすすめ年式
これまでS1000RRの各年式について詳しく見てきましたが、最適な年式は個々のライダーのニーズやライディングスタイルによって異なります。
ここでは、ライディングスタイル別におすすめの年式をまとめます。
サーキット走行や峠攻めなど、スポーツ走行を重視するライダーには、最新の2019年以降のモデルがおすすめです。
特にMパッケージは、軽量カーボンホイールと高度な電子制御により、最高のパフォーマンスを発揮します。
2023年モデルからはウイングレットが追加され、高速域での安定性がさらに向上しています。
ツーリングやストリート走行を楽しみたいライダーには、2015年〜2018年の第二世代モデルが最適でしょう。
グリップヒーターやクルーズコントロールなどの快適装備が充実し、電子制御サスペンションによる乗り心地の良さも魅力です。
特に2017年モデル以降は、ユーロ4対応による環境性能の向上と、各部の熟成が進んだバランスの良いモデルです。
初めてのリッタースポーツとしてS1000RRを検討している方には、2012年〜2014年の初代後期モデルもコストパフォーマンスに優れた選択肢となります。
基本性能は十分に高く、維持費を抑えながらS1000RRの魅力を体験できるでしょう。
ただし、電子制御系のトラブルリスクは新しいモデルより高いため、しっかりとした点検歴のある個体を選ぶことが重要です。
予算別に見ると、100万円以下なら初代モデル、150万円前後なら第二世代、200万円以上であれば現行第三世代が選択肢となります。
S1000RRはどの年式も高い性能と魅力を持つスーパースポーツバイクですが、年式ごとの特性を理解し、自分のライディングスタイルに合ったモデルを選ぶことで、より充実したバイクライフを送ることができるでしょう。
最終的には、可能であれば複数の年式に試乗してみることが、自分に合った一台を見つける最良の方法です。
総括:S1000RRおすすめ年式はあなたの用途次第

- BMW S1000RRは2009年発売開始以来、3世代にわたり進化を遂げている
- 初代モデル(2009-2014)は独特のアシンメトリーデザインが特徴的
- 第二世代(2015-2018)では電子制御サスペンションが採用された
- 第三世代(2019-)はフレームとエンジンを完全新設計し大幅に軽量化
- 2023年モデルではウイングレットが追加され空力性能が向上
- 初代モデルは電子制御システムのトラブルに注意が必要
- 第二世代はバランスが良く、コストパフォーマンスに優れている
- 最新モデルは最高の性能を持つが、維持費も最も高い
- 年間維持費は30万〜50万円程度を見込むべき
- S1000RRの寿命は適切なメンテナンスで5〜8万kmが目安
- オイル交換は3,000〜5,000km毎が理想的
- 中古車購入時はメンテナンス履歴の確認が非常に重要
- ツーリング性能は第二世代以降で大幅に向上している
- クルーズコントロールやグリップヒーターは快適性を高める重要装備
- 「曲がらない」という評判は誤解で、適切なセッティングで高い旋回性能を発揮する
- 熱問題は全年式で存在するが、第三世代で改善されている
- サーキット走行重視なら第三世代が最適
- ツーリング重視なら第二世代がバランス良好
- コスパ重視なら初代後期モデル(2012-2014)も選択肢となる
- 自分のライディングスタイルに合った年式選びが最も重要
最後に
BMW S1000RRの各年式について詳しく解説してきました。S1000RRは3世代にわたって進化を続け、それぞれの年式に特徴があることがおわかりいただけたと思います。
理想のS1000RRを見つけるためには、自分のライディングスタイルを正確に把握し、それに合った年式を選ぶことが最も重要です。サーキット走行や峠攻めなら2019年以降の第三世代、ツーリングやストリート走行なら2015-2018年の第二世代、コストを抑えたいなら2012-2014年の初代後期モデルという選択肢が考えられます。
どの年式を選ぶにしても、適切なメンテナンスを行い、定期的な点検を怠らないことが、S1000RRの真価を発揮させ、長く楽しむための鍵となります。
これからバイク購入を検討されている方は、「バイク購入時の必須チェックポイント」の記事も参考になるでしょう。また、「スーパースポーツバイクの維持費完全ガイド」では、高性能バイクを長く楽しむためのコツを紹介しています。
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