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クラシックなスタイルと最新のテクノロジーを融合させたトライアンフ ボンネビル ボバー。その独特なデザインから「ダサい」という評価を受けることもありますが、実際のオーナーたちからは高い満足度と熱烈な支持を得ています。なぜ、この評価の違いが生まれるのでしょうか。
本記事では、ボンネビル ボバーの真の実力と魅力について、実際のオーナーの声や専門家の評価を交えながら、多角的な視点で検証していきます。
この記事を読むと分かること
- 「ダサい」と評価される理由と、その本質的な価値
- 実際のオーナーが感じている魅力と満足度
- 性能、実用性、メンテナンス面での特徴と注意点
- 他のボバーモデルとの違いと独自の個性
ボンネビル ボバーをめぐる評価の真相と、このバイクが多くのライダーを魅了する理由が、この記事を読むことで明らかになるでしょう。
トライアンフ ボンネビル ボバーはダサいのか?実力と真価を徹底検証

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まずは、ボンネビル ボバーの真の価値と実力について、様々な角度から検証していきましょう。
- 英国トライアンフが生んだボバースタイルの真髄
- デザインへの賛否両論の理由を解説
- エンジン性能と走行性能の実力
- 実燃費とランニングコストの現実
- カスタマイズによる魅力向上の可能性
- 製造国と品質の関係性を検証
- 故障や不具合の実態を暴く
- 長距離走行時の実力を解説
英国トライアンフが生んだボバースタイルの真髄
トライアンフ ボンネビル ボバーは、120年以上の歴史を持つ英国バイクメーカーが放つ意欲作です。1940年代のレース用マシンをルーツに持つボバースタイルを現代に再解釈し、独自の進化を遂げた一台となっています。
ボバーという名称は、「短くする」という意味を持つ「ボブ」に由来します。
その名の通り、車体から不要な部分を徹底的にそぎ落としたミニマルなデザインが特徴です。
トライアンフ独自のバーチカルツインエンジンと組み合わさることで、他に類を見ない独特の存在感を放っています。
トライアンフはあえて「英国製アメリカンカスタム」という新しい解釈を提示しました。
クラシカルな要素を残しながらも、現代的な技術とデザインを融合させることで、単なるレトロバイクを超えた新しい価値を生み出しているのです。
リジッドフレームを思わせる独自のフレームワークは、カスタムビルダーの手によって仕立てられたかのような雰囲気を醸し出しています。

デザインへの賛否両論の理由を解説
ボンネビル ボバーのデザインは、発売以来賛否両論を呼んできました。
その最大の理由は、伝統的なクルーザーの常識を覆す大胆なスタイリングにあります。
特に、サドルタイプのソロシートと、リアセクションをギリギリまで切り詰めたミニマルなデザインは、保守的なクルーザーファンからの批判を集めることもあります。
一方で、このデザインは2017年度グッドデザイン賞を受賞するなど、デザイン業界からは高い評価を得ています。
クラシックとモダンの絶妙な融合が、新しい時代のクルーザーの在り方を提示しているという評価です。
実際に所有しているオーナーからは、時間とともにその独特な魅力に惹かれていくという声も多く聞かれます。
デザインへの批判の多くは、実用性を犠牲にしているという点に集中しています。
タンデムシートがない点や、収納スペースの少なさは、実用重視のライダーからすれば物足りなく感じるかもしれません。
しかし、これらはボバースタイルの本質である「必要最小限」の思想に忠実であることの証でもあるのです。

エンジン性能と走行性能の実力

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ボンネビル ボバーの心臓部には、1200cc水冷並列2気筒エンジンが搭載され、78PSの最高出力と106N・mの最大トルクを発揮します。
特筆すべきは、エンジンの性格付けです。
低回転域から力強いトルクを発生し、市街地での扱いやすさと高速巡航時の余裕を両立しています。
エンジンの特徴は、270度クランクによる独特の鼓動感にあります。
トライアンフ伝統のバーチカルツインサウンドは、ハーレーダビッドソンとも異なる独自の個性を持ちます。
高回転までスムーズに回るエンジン特性と相まって、意外にもスポーティな走りを楽しむこともできます。
走行性能では、47mmの大径フロントフォークとダブルディスクブレーキを採用し、安定した走りを実現。
リジッドフレームを思わせるデザインながら、モノショック式リアサスペンションがしっかりと衝撃を吸収します。
690mmという低いシート高と相まって、デザインだけでなく乗り味でも高い評価を得ています。

実燃費とランニングコストの現実
「リッター何キロ走るのか」という実燃費は、多くのライダーの関心事です。
実際の燃費は15〜20km/Lほどで、走り方や路面状況によって変動します。
12リットルの燃料タンクを搭載し、一回の給油で180〜240kmほどの航続距離を確保できます。
維持費については、定期点検が16,000kmごとと比較的長めの設定です。
オイル交換は3.2〜3.4L必要で、推奨オイルは10W-40となっています。
トライアンフ専門店での整備が基本となるため、一般的な国産バイクと比べるとやや維持費は高めです。
タイヤは前後とも16インチを採用しており、特殊なサイズではないため入手性に問題はありません。
ただし、フロント130/90B16、リア150/80R16という組み合わせは、一般的なクルーザーとは異なるため、タイヤ選びには注意が必要です。
ブレーキパッドやチェーンなどの消耗品は、定期的な点検と交換が推奨されます。

カスタマイズによる魅力向上の可能性
ボンネビル ボバーは、すでに完成されたデザインながら、カスタマイズの自由度も高いモデルです。
多くのオーナーがマフラーを変更することで、より深みのある排気音と個性的なルックスを手に入れています。
定番となっているバンス&ハインズのスラッシュカットマフラーは、純正より太い音質と迫力のあるサウンドを実現します。
外装面では、サイドバッグの装着が人気のカスタマイズです。
デグナーやヘプコ&ベッカーなどの専用サイドバッグを装着することで、実用性を大きく向上させることができます。
ただし、ミニマルなデザインを損なわないよう、バッグの選択には慎重さが求められます。
その他、LEDウインカーへの変更やグリップヒーターの装着など、実用的なカスタマイズも可能です。
ハンドルやステップの位置調整で、よりスポーティな乗車ポジションを実現することもできます。
ただし、外国車特有の注意点として、カスタムパーツの互換性や入手性には十分な確認が必要です。

製造国と品質の関係性を検証
トライアンフは英国が誇る老舗バイクメーカーですが、現代のボンネビル ボバーは、タイの工場で生産されています。
しかし、これは品質の低下を意味するものではなく、むしろ高い品質管理と効率的な生産体制を実現しています。
英国本社による厳格な品質管理のもと、最新の製造設備で生産が行われています。
エンジンやフレームなどの主要パーツは、英国本社で設計・開発されており、トライアンフの伝統的な設計思想が確実に受け継がれています。
実際のところ、製造品質に関する深刻な問題は報告されておらず、むしろ高い完成度が評価されています。
バイク業界では珍しくない生産拠点の移転ですが、トライアンフの場合は成功例として認識されています。
部品の供給体制も安定しており、定期メンテナンスや修理に必要なパーツの入手性は良好です。
ただし、専門的な整備知識が必要なため、メンテナンスは基本的にトライアンフディーラーでの実施が推奨されます。
国産バイクと比べると整備網は限られますが、主要都市には必ずディーラーが存在し、安心してオーナーライフを楽しむことができます。

故障や不具合の実態を暴く
ボンネビル ボバーに対して、外車特有の故障の多さを懸念する声がありますが、実態はどうなのでしょうか。
2017年の発売以来、重大な設計上の欠陥や致命的な不具合は報告されていません。
むしろ、水冷エンジンの採用により、旧来の英国車で懸念されていた信頼性の問題は大きく改善されています。
ただし、いくつかの注意点も存在します。
電装系統のトラブルが時折報告されており、特にLEDウインカーへの交換時に生じるハイフラッシュ現象には専用の対策が必要です。
また、長期使用によるリアサスペンションの劣化や、チェーンの張り調整など、定期的なメンテナンスが重要な箇所もあります。
オートクルーズコントロールの不具合や、メーターパネルの表示エラーといった電子機器関連の問題も散見されます。
ただし、これらの多くはソフトウェアのアップデートで解決可能です。
重要なのは、定期的なディーラー点検を確実に実施することで、多くの問題を未然に防ぐことができるという点です。

長距離走行時の実力を解説
ボンネビル ボバーは、クルーザーでありながら意外にも長距離走行での実力を秘めています。
巡航性能は高く、エンジンに余裕があるため、高速道路での走行も快適です。
2021年モデル以降は、12リットルの大容量燃料タンクとクルーズコントロールを標準装備し、ツーリング性能が大幅に向上しています。
一方で、長距離走行時の課題もあります。
サドルタイプのシートは見た目の美しさを重視しており、長時間の乗車では若干の疲労を感じる可能性があります。
また、フロントスクリーンが標準では装備されていないため、高速走行時の風圧対策は必要かもしれません。
しかし、これらの課題は適切なカスタマイズで解決可能です。
オプションのスクリーンやより快適なシートへの交換、さらにはサイドバッグの装着により、実用的なツーリングマシンへと進化させることができます。
実際に、数百キロ規模のツーリングを楽しんでいるオーナーも少なくありません。

ボンネビル ボバーの実用性とデザインを改めて評価する

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次に、日常的な使用における実用性とデザインの価値について検証していきます。
- 車体の小ささがもたらすメリット・デメリット
- 二人乗りの可否と制限事項
- 乗り心地の特徴と評価ポイント
- 街中での取り回しと存在感
- 最高速度と巡航性能の実力
- 他のボバーモデルとの比較検証
- 総括:英国が誇るボンネビル ボバーの真価
車体の小ささがもたらすメリット・デメリット
ボンネビル ボバーの車体は、1200ccクラスのバイクとしては比較的コンパクトに仕上げられています。
全長2100mm、シート高690mmという数値は、大型バイクでありながら扱いやすいサイズ設計となっています。
この特徴は、様々なメリットとデメリットを生み出しています。
メリットとしては、まず優れた足つき性が挙げられます。
低いシート高と細身のシート形状により、身長の低いライダーでも安心して乗ることができます。
また、取り回しのしやすさも特筆すべき点で、市街地での運転や駐車場での取り回しが比較的容易です。
一方、デメリットもあります。
コンパクトな車体は収納スペースの制限を意味し、荷物の積載には工夫が必要です。
また、小柄な車体ゆえに、高速道路での風圧の影響を受けやすい面もあります。
ただし、これらの課題は適切なカスタマイズやオプションパーツの装着で改善可能です。

二人乗りの可否と制限事項
ボンネビル ボバーは、基本的にはソロライディングを前提としたモデルです。
標準仕様ではタンデムシートが装備されておらず、二人乗りはできない設計となっています。
これは、ボバースタイルの本質である「最小限の要素だけを残す」という思想に基づいています。
しかし、これは完全な制限ではありません。
純正オプションのタンデムシートとフットペグを装着することで、二人乗りが可能となります。
ただし、この場合でも、シングルシート時と比べて快適性や運動性能に若干の影響が出ることは避けられません。
タンデム仕様に変更する際は、いくつかの注意点があります。
まず、純正パーツの使用が推奨され、社外品の使用は安全性の面で注意が必要です。
また、二人乗り時は、サスペンションの設定やタイヤ空気圧の調整など、適切なセッティングが重要となります。
何より、ボバースタイルの美しさを損なう可能性があることも、考慮すべきポイントです。

乗り心地の特徴と評価ポイント
ボンネビル ボバーの乗り心地は、クラシカルな見た目からは想像できないほど洗練されています。
リジッドフレームを思わせるデザインながら、モノショックのリアサスペンションが効果的に路面からの衝撃を吸収します。
特に、2021年モデル以降は47mmの太径フロントフォークの採用により、安定性が大幅に向上しています。
シートは、見た目の美しさと実用性のバランスを追求しています。
前後上下に調整可能なサドルシートにより、ライダーの体格に合わせた最適なポジションが得られます。
ただし、長時間の走行では硬めの乗り心地を感じる場合もあり、ツーリング時はこまめな休憩を取ることをおすすめします。
ハンドル位置は若干前傾した姿勢となり、スポーティーな走りにも対応します。
加速時や減速時の挙動も安定しており、予測可能な反応を示すため、運転に不安を感じることは少ないでしょう。
ただし、大きな段差や荒れた路面では、リアサスペンションの反応が敏感に伝わってくることもあります。

街中での取り回しと存在感
ボンネビル ボバーの大きな魅力のひとつが、街中での扱いやすさです。
低いシート高と適度な車体サイズにより、信号待ちや駐車場での取り回しが比較的容易です。
重量は250kg近くありますが、低重心設計により、停車時の安定感も確保されています。
街中での存在感は圧倒的です。
クラシカルでありながらモダンな雰囲気は、多くの人々の注目を集めます。
特に、スラッシュカットマフラーから響く独特のエグゾーストノートは、街中でも上品な存在感を放ちます。
ただし、都市部での運転には若干の注意点もあります。
サイドミラーの視認性は一般的なクルーザーと比べてやや制限され、大きな車両との並走時には死角に注意が必要です。
また、タイトなコーナリングを必要とする場面では、ステップの接地に気を配る必要があるでしょう。

最高速度と巡航性能の実力

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ボンネビル ボバーの最高速度は、メーカー公表値ではありませんが、実測で時速180km前後とされています。
ただし、このバイクの真価は最高速度ではなく、余裕のある巡航性能にあります。
高速道路での巡航時、時速100-120km程度であれば、エンジンに十分な余裕を残しながら安定した走行が可能です。
重要なのは、低回転域からの力強いトルク特性です。
270度クランクを採用したエンジンは、4000rpm付近から力強い加速を見せます。
この特性により、追い越し時や高速道路の合流時でも、ストレスのない加速が得られます。
巡航時の安定性も特筆すべき点です。
16インチの前後ホイールと、しっかりとした車体剛性により、高速走行時でも安定した直進性を保ちます。
クルーズコントロールの標準装備により、長距離走行時の疲労軽減にも貢献しています。

他のボバーモデルとの比較検証
ボバースタイルのモーターサイクルは、近年各メーカーから続々とリリースされています。
その中でもボンネビル ボバーは、クラシカルな魅力と現代的な性能を高次元で両立している点で独自の存在感を放っています。
例えば、同クラスのハーレーダビッドソン ストリートボブと比較すると、より洗練された乗り味と優れた取り回しが特徴です。
また、水冷エンジンの採用により、熱対策や信頼性の面でも優位性があります。
ホンダ レブル1100と比べると、より本格的なボバースタイルと高い質感が魅力となっています。
価格面では190万円前後からと、決して安価ではありません。
しかし、同クラスの他モデルと比較しても、その完成度の高さと独自の個性は十分な価値があると言えるでしょう。
特に、乗り味とスタイリングのバランスという点では、クラス最高レベルの評価を得ています。

総括:英国が誇るボンネビル ボバーの真価

- ボンネビル ボバーは、伝統と革新を融合した英国発のユニークなクルーザー
- 「ダサい」という評価は、従来のクルーザーの常識を覆す独自性の表れ
- 1200cc水冷エンジンによる力強い走りと優れた信頼性を実現
- コンパクトな車体と690mmの低シート高で扱いやすい設計
- 実燃費は15-20km/Lで、12Lタンクによる十分な航続距離を確保
- カスタマイズ性が高く、個性的な一台に仕上げられる
- タイ生産ながら、高い品質管理で英国車としての魅力を維持
- 定期的なメンテナンスで故障リスクは低く抑えられる
- 長距離走行も可能な実用性の高さを持つ
- ソロライディングに特化した割り切った設計思想
- 洗練された乗り心地と安定した走行性能
- 街中での扱いやすさと圧倒的な存在感を両立
- 最高速180km/h程度で、余裕のある巡航性能を発揮
- 他のボバーモデルとは一線を画す個性的な魅力
- 190万円前後という価格に見合う高い完成度
最後に
今回は、トライアンフ ボンネビル ボバーの「ダサい」という評価について、その真相と実力を多角的に検証してきました。確かに従来のクルーザーの常識からすれば異質な存在ですが、それこそがこのバイクの真価であり、多くのライダーを魅了する理由となっています。
1200cc水冷エンジンの優れた性能、扱いやすい車体サイズ、安定した品質管理、高い実用性など、実際の所有者からの評価は非常に高いものとなっています。「ダサい」という評価は、むしろその独自性の証であり、従来の価値観を超えた新しいクルーザーの形を示していると言えるでしょう。
バイク選びにおいて重要なのは、他人の評価ではなく、自分自身が感じる魅力です。ボンネビル ボバーは、既存の価値観にとらわれない、個性的なライダーのための特別な一台として、確固たる地位を築いています。