
ビューエルの中古車を探していると、「壊れやすい」「熱い」「もうメーカーがない」といった声が次々に目に入ってきて、結局手を出していいものか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。せっかく気になる個体を見つけたのに、廃業したブランドという不安がどうしても背中を押しきれない理由になっている、という声もよく聞きます。
ビューエルの持病は、個体差による「たまたま壊れやすい」ではなく、フレーム内蔵燃料タンクやオイルインスイングアームといった設計思想そのものが引き起こす、構造上の必然です。そのうえで、メーカー消滅後の部品供給・整備体制・相場という現実を切り分けて理解すれば、買うべきか、乗り続けるべきか、手放すべきかは意外とはっきり判断できます。この記事では、建設業エンジニアである筆者エンジニアKが、構造と材料の視点からビューエルの欠点を因果で解説し、中古で後悔しないための判断材料をお伝えします。
この記事を読むと分かること
- ビューエルの持病(熱・振動・電装・オイル漏れなど)がなぜ起きるのか、構造からわかる理由
- 部品供給・整備体制の現在地と、旧ビューエルと新生Buellの違い
- 中古相場・買取相場の目安と、リコール情報の確認方法
- 買うべき人・避けるべき人の判断基準と、手放すという選択肢
ビューエルの欠点と持病は設計思想の裏返し

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熱い:フレーム内燃料とリアシリンダーの排熱

さて、まずは構造から見ていきましょう。ビューエルのXBシリーズは、アルミツインスパーのフレーム内部そのものに燃料を収めるフレーム内蔵燃料タンク(fuel-in-frame)構造を採用しています。狙いは車体中心に近い位置へ燃料の重さを集めて重心集中を図ること、そして走行中の燃料の揺れ(スロッシング)が操縦性に与える影響を抑えることにあると、レース専門メディアは解説しています。
燃料を保持するためにフレーム断面を大きくした結果、車体剛性の向上にも寄与したとされ、これは決して思いつきの奇抜な設計ではありません。
ま、要するに「タンクをフレームに埋め込む」という思い切った設計そのものが、後方シリンダーの熱がフレームや足元まわりに伝わりやすいという体感につながっているわけです。SNSコミュニティでは「熱対策」と題した情報交換が交わされており、夏場の渋滞や信号待ちで足元の熱を強く感じるという長期オーナーの報告が見られます。対策としてフレームプロテクターやヒートガードといった社外パーツが流通していた時期もあったようです。
恐らくは、後方シリンダーが乗り手の足元に近い位置にあるVツイン構成そのものが、フレーム構造と相まって熱を感じやすくしているのでしょう。実はこの構造、2026年9月現在もYouTubeで話題になっているレストア企画と無縁ではありません。5年間放置されたビューエルを整備するシリーズ動画では、劣化した燃料がフレーム内部にまで及んでいた回がコメント欄で驚きの声を集めており、フレームが燃料タンクを兼ねるという構造の特殊さがあらためて注目されている、というわけです。
この「フレーム=燃料タンク」という前提は、後述する燃料系トラブルとも直結する、記事全体を貫く重要な軸になります。
振動による部品の破損とアイソレーターの劣化
ビューエルのもうひとつの構造的な特徴が、エンジンを車体剛性部材として活用しつつ振動を遮断するユニプラナー(Uniplanar)ラバーマウント方式です。エンジンをフレームの一部として組み込むことで軽量・高剛性化を実現する一方、エンジンとフレームの間に挟まる防振ゴム(アイソレーター)が経年で劣化し、破損に至るという報告が海外のオーナーフォーラムに複数寄せられています。まあ、軽さと剛性を両取りしようとすれば、どこかにしわ寄せが来るのは構造として避けがたい話ではないでしょうか。
実際にオーナーの声としても、「頑丈でメンテフリー&メンテ楽な構造ですけど振動と熱による故障は多いです。サイドスタンドとれたりマフラーはずれたりとか」という具体的な症状が語られています。サイドスタンドの脱落やマフラーのずれは、単なる緩みではなく、エンジンをフレームに直結させる構造ゆえに振動がダイレクトに車体各部へ伝わりやすいことの表れと考えられます。
防振ゴムそのものは消耗品である以上、年数の経った個体では点検を欠かせません。振動由来の不具合は「壊れやすい」という漠然とした評判の正体のひとつであり、次に紹介する電装系トラブルとも実は無縁ではなく、振動によるコネクタの緩みが電装不良の一因になっているケースも報告されています。
レギュレーターとアース不良などの電装系トラブル
電装系は、経年のビューエルでオーナーの悩みが集中しやすい領域です。海外のオーナーフォーラムでは、経年によるアース不良が起点となり、EFI(電子制御燃料噴射)の警告コードが表示されたり、センサーが誤作動したり、ヘッドライトやウインカーの点灯が不安定になったりする症状が繰り返し報告されています。いえ、これは特定の年式だけの話ではなく、アース線というシンプルな部位だからこそ、経年劣化の影響が出やすいのだと捉えたほうが正確でしょう。
オーナーの実体験としても、「仲間のビューエルは数年で、レギュレータが2回故障しました」という報告があり、充電系統のトラブルが単発ではなく繰り返し起きうることがうかがえます。レギュレーターはバッテリーへの充電電圧を制御する部品で、ここが故障すると過充電や充電不足によってバッテリーやほかの電装部品にも影響が及びかねません。
さて、電装トラブルは表面的な症状だけで判断すると「個体が悪い」という結論に飛びつきがちですが、アース不良という共通の弱点を踏まえて点検すれば、意外と原因を特定しやすい部類の不具合だと言えます。定期的な端子清掃やアース線の増設といった予防策も、オーナーコミュニティでは一定の効果があるとされています。
オイル漏れとオイルインスイングアームの管理

先ほど触れたフレーム内燃料タンクと対になるのが、エンジンオイルをリアスイングアーム内部に格納するオイルインスイングアーム方式です。ドライサンプ式を採用しているため燃料ポンプとオイルポンプの両方を要する複雑な構成であり、外観上見えるタンク状の部分は樹脂製カバーに過ぎず、実際のオイル保持機能はスイングアームそのものが担っています。これもまた、重心集中と軽量化を突き詰めた結果の設計です。
その構造ゆえに、実際の修理現場ではオイル漏れの報告が少なくありません。名古屋の整備専門店の実修理事例では、シリンダーベースガスケットからのオイル漏れが確認されており、経年でガスケットの劣化が進むことが原因のひとつとされています。加えて、整備店の作業実績としてクラッチケーブルの取付根元ににじみが生じ、オイルの劣化がケーブルの切れにつながった事例も報告されています。
その通りで、油量点検や交換の勘所が一般的なバイクと異なる部分があります。オイルタンクとエンジンが離れた位置にあるぶん、配管の取り回しが複雑になり、それだけ漏れが起きうる箇所も増えるというのが構造上の理屈です。定期的なガスケット点検とオイル管理は、ビューエルを長く維持するうえで避けて通れない作業だと考えておいたほうがよいでしょう。
燃料系のトラブルと長期放置のリスク
燃料系統にも、構造に由来する弱点があります。燃料ラインやフィルターの接続部からの燃料漏れは整備の現場で確認されており、2008年以前のXBシリーズでは、燃料ポンプの配線が擦れて被膜が傷み、断線に至るケース(いわゆるチェーフィング)が起きやすいという海外の整備系情報もあります。配線の取り回しが振動の多い車体構造の中でこすれ続ければ、断線というかたちで表面化するのも無理はないでしょう。
ここで見過ごせないのが、フレーム自体が燃料タンクを兼ねるという構造ゆえのリスクです。長期間放置された車両では、劣化した燃料がフレーム内部にまで浸透し、腐食や詰まりを引き起こしやすいことが、2026年9月時点で話題になっているレストア動画のコメント欄でも驚きとともに語られています。「見れば見るほどイカれた設計してんな」という視聴者の反応は、決して大げさではなく、フレームという構造材の内部に長期間燃料を留め置くことの現実的なリスクを言い当てているように思えます。
注意
長期間動かしていなかった個体を検討する場合は、燃料タンク(フレーム内部)とラインの状態を必ず確認してください。見た目では分からない劣化が進んでいることがあり、始動前の燃料系点検は特に重要です。
こうした燃料系の弱点は、次に紹介するドライブベルトやサスペンションの持病とあわせて、「長く維持するには構造を理解した点検が欠かせない」という共通のメッセージにつながっています。
ドライブベルトと硬いリアサスペンション

駆動系にも、年式によって性格の異なる持病があります。海外フォーラムの集約情報によれば、2003年頃の初期モデルは交換目安1万5,000マイルとされるベルトが採用されていましたが、実際には1万マイル程度でひび割れが報告される例があったとされています。その後、2007〜2008年頃から表面テクスチャの異なる強化版「ライフタイムベルト」に変更されたとされますが、この時期・仕様については一次資料での断定ができないため、あくまで「〜とされる」という伝聞の範囲で捉えておく必要があります。
が、注意したいのは「ライフタイム」という呼称です。同じ海外フォーラムの集約情報では、破断報告が3,000マイルから10万マイルまで大きくばらついており、「ライフタイム」という言葉が「壊れない」という保証を意味するわけではありません。年式にかかわらず、ベルトの状態は定期的に目視点検しておきたいところです。
もうひとつの持病が、XB9S・XB12Scgに採用された硬めのリアサスペンションです。整備専門店のブログでは「脊髄に突き上げるような乗心地の悪さ」と表現されるほどの硬さが指摘されており、長距離走行では路面からの突き上げが疲労につながりやすいとされています。社外サスペンションへのオーバーホールという対策が紹介されている例もあり、乗り心地を重視するなら検討の余地があるでしょう。
整備上の注意
ドライブベルトの寿命は走行距離だけでなく使用環境や年式による個体差が大きく、目安の数値をそのまま信じきらないことが大切です。点検や交換は自己判断に頼りすぎず、自信がなければプロのショップに相談してください。
インチとミリが混在する整備性の悪さ
ここまで見てきた熱・振動・電装・オイル漏れ・燃料系・ベルトという持病に加えて、整備そのもののハードルを上げているのが規格の混在です。日本の整備専門店の情報によれば、ビューエルは米国部品と日本・欧州部品が混在した設計になっており、インチ規格とミリ規格のボルトが同じ車体に共存しているため、通常の国産バイクよりも整備の難易度が高くなりやすいとされています。工具を一式そろえる手間も、初めて手にするオーナーにとっては地味に大きな壁になるでしょう。
まあ、こうして振り返ってみると、ここまで挙げてきた持病はどれも「たまたま壊れやすい」のではなく、フレーム内燃料タンク・スイングアーム内オイル・ラバーマウントという設計思想の裏返しとして起きている、という共通点が見えてきます。軽量化や重心集中、剛性の確保といった合理性を追求した結果、熱・振動・オイル管理・整備性のそれぞれにトレードオフが生じているわけです。
同じように「欠点」という切り口で語られがちなハーレー系のバイクとして、スポーツスターSの欠点とカスタム術をまとめた記事もあわせて読んでおくと、外車ならではの持病との向き合い方がより立体的に見えてくるはずです。ここから先は、こうした構造上のトレードオフを踏まえたうえで、メーカー消滅後の現実——部品供給・整備体制・相場——を見ていきましょう。
中古でビューエルを買う前に知っておきたい現実

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生産終了から新生ビューエルまでの経緯

ビューエルというブランドを正しく理解するには、まず歴史の断絶を整理しておく必要があります。旧ビューエルは1983年にエリック・ビューエル氏が創業し、1993年にハーレーダビッドソン社が資本参加、2003年には完全子会社化されました。
しかし2009年10月15日、ハーレーダビッドソン社は「ハーレーダビッドソン本体ブランドへの集中」を理由にビューエルブランドの廃止を発表し、同年10月30日に傘下最終生産車が完成しています。累計生産台数は13万6,923台とされています。
さて、ここで終わらないのがビューエルの物語です。ブランド廃止直後の2009年11月、創業者エリック・ビューエル氏本人が新会社「Erik Buell Racing(EBR)」を設立し、レース専用モデルから公道対応の1190RS・1190RX・1190SXへと事業を広げました。
2013年にはインドの二輪大手Hero MotoCorpが資本参加しましたが、2015年4月13日にEBRは経営破綻に至っています。その後2016年に資産が別会社へ譲渡され、いったんビューエルという名前の生産は完全に途絶えました。
そして2021年2月、Bill Melvin氏率いる新会社が「Buell Motorcycle Company」としてブランド権・商標を取得し、米ミシガン州グランドラピッズを拠点に生産再開を発表しました。2026年時点では1190「Hammerhead」RX・1190SX・Super Cruiser等を手組み生産中とされ、Buell Motorcycle Company公式サイトでも現行モデルの受注導線が確認できます。日本国内での正規販売については、2026年9月時点で確認できておらず、国内での入手を検討する場合は輸入代理店や海外正規店への直接の問い合わせが必要になります。
いえ、ここで一番伝えたいのはブランドが復活したこと自体ではありません。旧ビューエル(〜2009年ハーレー傘下)・EBR(2009〜2015年)・新生Buell Motorcycle Company(2021年〜)は資本も生産体制もまったく別の存在であり、「ブランドが復活した」ことは、中古で流通している旧ビューエルの部品供給が再開されることを意味しません。この前提を踏まえたうえで、次の見出しから部品供給の現実を見ていきましょう。
部品供給の現状と入手ルート

旧ビューエルを生産していたメーカーはすでに存在しないため、XB専用部品の多くは純正での供給が途絶えているとオーナーブログでは報告されています。海外通販などを使って個別に部品を探す必要があるケースが多く、生産終了から年数が経過するにつれて中古部品の価格も高騰し、人気パーツの入手性が悪化しているとされています。これらはいずれも個人ブログ・オーナーコミュニティの情報であり、公式統計ではない点は差し引いて読む必要があります。
実際のオーナーの声としても、「外装や電装品はオクでも中々見つからない」「今無い部品は今後も供給はされない」という厳しい実感が語られています。部品価格については、「部品の価格が年数が経ってくるととんでもなく跳ね上がる傾向です」という証言に加え、メーターのナット1個で9,000円近くを請求された例も報告されており、小さな部品ひとつでも決して安くないという現実がうかがえます。
ハーレーダビッドソンジャパンの純正補修部品のサポートはすでに終了しているとオーナー間では語られていますが、公式発表は確認できていません。
部品供給の厳しさという点では、同じ小規模ブランドとして知られるインディアンバイクのデメリットや維持費をまとめた記事にも通じる悩みがあり、輸入車・少数ブランド全般に共通する課題として参考にできます。
価格・相場情報の取扱について
部品価格・入手性に関する情報は執筆時点(2026年9月)のオーナーコミュニティの報告に基づくものであり、個体・時期により状況は変動します。購入前には現物の状態と部品供給ルートを販売店に確認してください。
整備できるショップの探し方と維持費の考え方
前述のとおり、ビューエルはインチとミリの規格が混在する車体であるため、経験のある専門店を見つけられるかどうかが維持のしやすさを大きく左右します。輸入車・旧車を扱う専門店や、ビューエルの取扱実績を公式サイトやSNSで公開しているショップに絞って問い合わせるのが、遠回りに見えて確実な探し方です。事前に電話やメールで整備実績を確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
そのオーナーの声とは、「維持費は故障次第ですが、壊れなければ特に維持費は高くつきません。車検も同様です」というものです。持病を理解したうえで予防的な点検を怠らなければ、突発的な高額出費を避けやすいという、ある意味で当然の結論とも言えます。
逆に言えば、点検を後回しにして持病が進行すると、部品価格の高騰も相まって出費がかさみやすいという構造でもあります。
輸入・生産終了ブランドは車両保険の加入条件や保険料が国産車と異なりやすいとされる一方、ビューエル固有の保険条件は確認できていません。加入を検討する場合は、車両の年式・型式を保険会社や代理店に直接伝えたうえで、一般的な輸入車と同様の手続きとして見積もりを取ることをおすすめします。
整備上の注意
整備は自己責任が原則ですが、規格の混在や部品供給の難しさを踏まえると、無理なDIYで状態を悪化させるより、自信がなければ早めにプロのショップへ相談したほうが結果的に安く済むことが少なくありません。
リコール情報の確認方法
安全にかかわる情報は、伝聞ではなく公的機関の発表で確認する習慣をつけておきたいところです。日本国内では、国土交通省が2009年12月15日付で、ハーレーダビッドソンジャパン株式会社による「ビューエル XB12Ssライトニング」のリコール届出を公表しています。これは国土交通省の報道発表資料で直接確認できる情報です。
警告
一方で注意したいのが、米国NHTSA(運輸省道路交通安全局)が2023年4月24日付で公表したリコール(キャンペーンID:23V257)です。これは2021〜2022年式の「1190 Hammerhead RX」「1190SX」を対象としたもので、link08で整理した新生Buell Motorcycle Companyの新型車が対象であり、中古で流通している旧ビューエル(〜2009年生産)のオーナーには直接関係しません。型式が似ているからといって混同しないよう注意してください。
ほかの型式・年式のリコールが気になる場合は、車台番号をもとに国交省やNHTSAの検索ページで個別に確認することをおすすめします。
確認方法としては、国土交通省のリコール情報検索ページで車名・型式から検索する方法、あるいは購入予定の販売店やハーレーダビッドソン正規ディーラーに車台番号を伝えて照会してもらう方法が確実です。中古車を検討する際は、契約前にこの一手間を惜しまないことをおすすめします。
中古相場と買取相場の目安

購入や売却を判断するうえで欠かせないのが、相場の把握です。査定・買取データを扱う専門サイトの2026年9月18日更新時点の情報によれば、ビューエル全15車種の買取相場平均は35.4万円、上限は87.5万円とされています。直近10年間の年間取引台数は平均127台で、対前年比では-7%とやや軟化傾向にある一方、対3年前比では+11%と中期的には上昇傾向にあるとされています。
まあ、数字だけ見ると「上がっているのか下がっているのか」と迷うかもしれませんが、短期の変動と中期のトレンドは分けて見る必要がある、というわけです。年間取引台数が127台程度という数字自体、そもそも流通量の少ない希少車であることを示しており、個体ごとの状態やタイミングによって成約価格が振れやすい市場だとも言えます。
価格・相場情報の取扱について
本記事で示した相場は執筆時点(2026年9月)の参考値であり、市況や個体の状態により変動します。購入・売却を検討する際は、必ず複数の販売店・買取業者で最新の見積もりを取ることをおすすめします。
相場観をつかむという意味では、同じハーレー系で不人気と語られてきたソフテイル デュースの評価を掘り下げた記事も、評判と実際の価値のギャップを考えるうえで参考になるはずです。
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生産終了やモデルチェンジの前後で、買取額は大きく動きます。売るかどうかは査定額を見てから決めても遅くありません。
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ビューエルを買うべき人と避けるべき人

ここまでの内容を踏まえると、ビューエルを買うべき人と避けるべき人の輪郭がはっきりしてきます。構造因果・部品供給・整備体制の現実を条件として整理してみましょう。
- ◯ 構造的な持病を理解したうえで、定期点検を面倒がらずにできる人
- ◯ インチ・ミリ混在の車体に対応できる専門店を近隣で確保できる人(または探す努力を惜しまない人)
- ◯ 部品供給が不安定な前提を受け入れ、海外通販や中古部品の入手ルートを自分で開拓できる人
- ✗ 「壊れたらすぐ純正部品で直せる」と思っている人(純正欠品が多い現実と噛み合わない)
- ✗ 車検非対応マフラーや保安基準外の改造で持病をごまかそうとする人
その通りです。熱対策や振動対策と称して保安基準を無視した改造をすることは、安全性を損なうだけでなく、そもそも持病の根本解決にもなりません。エンジニアKとしては、構造上の弱点は正面から受け止めて点検・整備で向き合うべきだと考えています。
ドゥカティやハーレーなど個性派の外車を乗り継いできた経験がある方であれば、こうした「手のかかる相棒」との付き合い方にはすでに免疫があるはずです。逆に、初めての外車選びでビューエルを検討している場合は、整備体制を確保できる見込みが立つまで契約を急がない、という判断も十分にありでしょう。
まあ、あらためて整理すると、買うべきかどうかの分かれ目は「壊れやすいかどうか」ではなく、持病と部品供給の現実を受け止めたうえで、それでも向き合い続けられるかどうかという一点に尽きるのではないでしょうか。中古車サイトで見た目に惚れ込んで即決するのではなく、まずは整備できるショップの当てがあるか、部品入手のルートを自分で開拓できそうかを、契約前に一度立ち止まって確認してみてください。
既存オーナーの場合も同様で、持病と向き合い続ける体力と時間が今の自分にあるかどうかを、次の見出しで扱う売却という選択肢とあわせて考えてみる価値があります。
持病に疲れたら売却という選択肢
ここまで持病や部品供給の現実を包み隠さず見てきましたが、実際に既存オーナーの中には、電装トラブルや部品価格の高騰に疲れて手放しを検討している方も少なくないはずです。悩みながら維持し続けるか、link12で見た買取相場を踏まえて売却に踏み切るか——この判断は、決して恥ずかしいことでも中途半端なことでもありません。
ちょっと前置きが長くなりましたが、要は「持病と付き合いきれない」と感じた時点が、ひとつの決断のタイミングだということです。買取相場は全15車種平均35.4万円という水準が目安になりますが、整備記録や社外パーツの装着状況によって査定額は上下します。日頃からオイル漏れやベルトの点検記録を残しておくと、いざ売却する際の評価にもつながりやすいでしょう。
価格・相場情報の取扱について
売却時の買取価格は個体の状態・年式・整備履歴・市況によって大きく変動します。本記事の数値はあくまで執筆時点(2026年9月)の目安として参考にしてください。
ビューエルを手放したあとの次の一台として、同じアメリカンスポーツの系譜を検討するならハーレー アイアン1200を選んだ理由やカスタムを紹介した記事も参考になるはずです。
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よくある質問
ビューエルはなぜ生産終了したのですか?
2009年10月15日、ハーレーダビッドソン社が「本体ブランドへの集中」を理由にビューエルブランドの廃止を発表したためです。同年10月30日に傘下最終生産車が完成し、累計生産台数は13万6,923台とされています。
ビューエルは今でも部品が手に入りますか?
純正部品は欠品が多く、海外通販や中古部品を個別に探す必要があるとオーナーブログでは報告されています。中古部品価格の高騰も指摘されており、公式な供給網に頼れない前提で維持する覚悟が必要です。
ビューエルは本当に壊れやすいのですか?
「壊れやすい」というより、フレーム内燃料タンクやオイルインスイングアームといった設計思想の裏返しとして、熱・振動・電装・オイル漏れなどの持病が起きやすい構造だと言えます。理解して点検すれば向き合えます。
ビューエルの中古相場はどのくらいですか?
査定データによれば2026年9月18日時点で全15車種の買取相場平均は35.4万円、上限は87.5万円とされています。市況や個体の状態により変動するため、あくまで執筆時点の参考値として捉えてください。
まとめ:ビューエルの欠点と正しく付き合うために
ビューエルの持病は、構造の必然であり、正しく理解すれば向き合えるものです。そのうえでメーカー消滅後の部品供給・整備体制・相場という現実を踏まえて、買う・乗り続ける・手放すのいずれを選ぶかを判断していただければと思います。
- フレーム内蔵燃料タンクは重心集中を狙った設計思想の結果
- 熱がこもりやすいのはフレーム構造と熱源の近さが一因
- ユニプラナー方式はエンジンを構造材にして軽量化と防振を両立
- 防振ゴムの経年劣化はアイソレーター破損につながりやすい
- レギュレーターやアース不良など電装トラブルの報告が目立つ
- オイルはスイングアーム内に格納するドライサンプ方式を採用
- ドライブベルトは年式で仕様が変わり破断報告にばらつきがある
- 整備はインチとミリ規格の混在で難易度が高くなりやすい
- 旧ビューエルと新生Buellは資本も生産体制も別のブランド
- メーカー消滅後の部品供給はオーナー間の情報に頼る部分が多い
- リコールは国交省とNHTSAで確認できた範囲だけを参考にしたい
- 買取相場は2026年9月時点で全15車種平均35.4万円が目安
- 維持費は故障次第で壊れなければ高額になりにくい傾向がある
- 違法改造や車検非対応パーツで持病をごまかすのは避けたい
- 持病や部品高騰に疲れたら買取相場を確認し手放す選択肢もある
最後に
ビューエルの持病は、隠すべき欠点ではなく、構造を知れば向き合える個性のようなものだと私は考えています。フレームや駆動系の設計思想を理解したうえで点検を怠らなければ、決して手に負えないバイクではありません。中古選びで迷ったら、この記事を判断材料のひとつにしてもらえたら幸いです。
同じように「欠点」や「持病」というテーマで語られがちなアメリカンスポーツ系の記事もあわせて読んでおくと、中古車選びの視野がさらに広がります。以下の記事もぜひ参考にしてください。