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ジクサー250というバイクは軽くてトルクもあって本当に楽しいマシンですが、高速道路に乗った瞬間に感じるあの猛烈な風圧には正直参ってしまいますよね。ネイキッドバイクの宿命とはいえ、時速100km巡航での体力の削られ方は想像以上で、せっかくのツーリングが苦行に感じてしまうこともあるかもしれません。
そこで検討したいのが防風効果の高いスクリーンの導入ですが、いざ探してみるとデイトナやMRAといった有名メーカーからAmazonで見かける安価な輸入品まで多くの種類があり、どれを選べば良いか迷ってしまうものです。特にRSのようなロングタイプとSSのようなショートタイプの違いや、自分で取り付けができるのかといった点は気になるところではないでしょうか。
この記事ではゼネコンでエンジニアとして働く私が、素材の強度や空力特性といった技術的な視点も交えながら、ジクサー250のスクリーンのおすすめについて比較し解説していきます。
この記事を読むと分かること
- デイトナ製スクリーンが圧倒的に選ばれている技術的な理由
- ロングタイプのRSとショートタイプのSSにおける効果の違い
- 安価な輸入品を選んではいけない素材リスクとフィッティング問題
- 最悪の場合車両火災につながる収斂現象とその対策
「たかが風除けの板でしょ?」と思うかもしれませんが、選び方を間違えると効果がないばかりか、愛車を傷つけるリスクさえあるのです。この記事を読めば、あなたの用途にジャストフィットする正解が分かり、次の週末から高速道路を使った遠出が驚くほど快適になるはずですよ。
ジクサー250のスクリーンおすすめ決定版!デイトナ製が選ばれる3つの理由

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多くのジクサーオーナーが最終的にデイトナ製を選ぶのには、単なる知名度だけではない明確なエンジニアリング上の根拠があります。ここではその設計思想や機能性、そしてなぜ「エンジニア視点」でこれほどまでに推奨されるのか、その理由を技術的な側面から深く掘り下げて解説していきます。
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高速道路の風圧が劇的に変わる防風効果

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まず、なぜ多くのライダーがスクリーンを求めるのか、その物理的な背景からお話ししましょう。空気抵抗というのは、速度の「2乗」に比例して増大するという物理法則があります。つまり、時速50kmで走っている時と比べて、時速100kmでは単純計算で4倍もの空気抵抗を受けることになります。
純正のネイキッド状態であるジクサー250では、この強大なエネルギーをライダーの生身の体、特に表面積の大きい「胸部」と「腹部」で受け止めることになります。これが高速道路で感じる「体が後ろに持っていかれる感覚」の正体であり、これに抗うために無意識に腹筋や背筋を使い、ハンドルにしがみつくことで腕や肩がパンパンに張ってしまうのです。
結論から申し上げますと、デイトナ製スクリーン、特に「RS(ウインドシールドRS)」を装着した場合、この状況は一変します。
- アップドラフト効果: RSシリーズの上端はスポイラー状に反り返った「リップ形状」を採用しています。これにより、正面から受けた空気を単に左右に避けるだけでなく、物理的なスクリーンの高さ以上に空気を「上方向」へ跳ね上げます。
- 負圧の抑制: スクリーン裏に巻き込む風(負圧による乱流)も計算されており、ヘルメットが小刻みに揺さぶられる不快なバフェッティング現象も最小限に抑えられています。
実際に装着して高速道路を走行すると、今まで胸板にドーンと当たっていた風の塊が消え失せ、まるで自分の目の前に見えないカプセルが形成されたかのような静寂を感じることができます。ヘルメットのシールドに当たる風切り音も低減されるため、インカムでの会話や音楽もクリアに聞こえるようになるという副次的なメリットもあります。往復300kmを超えるようなロングツーリングにおいて、この疲労軽減効果は絶大です。帰宅後に「もう動けない」とソファに倒れ込むか、「明日も走りたい」と思えるか、その分岐点はこの一枚のスクリーンにあると言っても過言ではありません。
ポリカーボネート採用で最強の強度を確保
私がエンジニアとしてデイトナ製を強く推す最大の理由、それが「マテリアル(素材)の選定」です。市場には安価なアクリル製のスクリーンも溢れていますが、デイトナはコストがかかることを承知で、あえて「ポリカーボネート(3mm厚)」を採用しています。
この素材の違いは、ライダーの生命を守る「安全性」に直結します。
| 比較項目 | ポリカーボネート(デイトナ採用) | アクリル樹脂(安価な製品) |
|---|---|---|
| 耐衝撃性 | アクリルの約30倍(ハンマーで叩いても割れないレベル) | 硬いが脆い(衝撃で砕けやすい) |
| 破壊時の挙動 | 粘りがあり、凹むか白化する程度 | 鋭利な破片となって飛び散る(凶器化) |
| 主な用途 | 機動隊の盾、防弾ガラスの積層材、カーポートの屋根 | 水槽、看板、ディスプレイケース |
| 弱点 | 表面硬度が低く傷つきやすい(※ハードコートで対策済) | 衝撃に弱い |
高速道路では、前走車のタイヤが跳ね上げた小石が弾丸のような速度で飛んでくることが日常茶飯事です。もしアクリル製のスクリーンに飛び石が直撃した場合、ガラスのように砕け散り、その鋭利な破片がライダーの喉元や目を襲うリスクがあります。これは決して大袈裟な話ではありません。
対してポリカーボネートは、プラスチック素材の中で最高クラスの耐衝撃強度を誇ります。その強靭さは「同厚のガラスの約200倍、アクリルの約30倍」とも言われ、機動隊の防護盾にも使用されるほどです。デイトナ製スクリーンはこのポリカーボネートを使用しているため、飛び石を受けても「バチン!」と音がするだけで、割れることはまずありません。
さらに、ポリカーボネートの弱点である「傷つきやすさ」と「紫外線による黄変」をカバーするため、デイトナ製には高価な「ハードコーティング処理」が施されています。これにより、長期間使用してもクリアな視界と美観を維持できるのです。「たかが風除け」と考えず、万が一の時に自分を守る「盾」として、信頼できる素材を選ぶことを強く推奨します。
スマホホルダーも装着可能なクランプバーが便利

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ジクサー250はコンパクトな車体設計が魅力ですが、その弊害として「ハンドル周りのスペース不足」に悩まされるオーナーが後を絶ちません。スマホホルダー、USB電源、アクションカメラ、ETCアンテナ…現代のツーリング三種の神器を取り付けようにも、テーパーハンドルや狭い隙間のせいで、クランプする場所が全くないのです。
デイトナ製スクリーンの設計が秀逸なのは、スクリーンを支える左右のステーを連結する形で、「Φ22.2mm × 全長58mmのクランプバー」を標準装備している点です。これは単なる「おまけ」レベルの機能ではありません。
- 視線移動の最適化: クランプバーの位置はメーターのすぐ上になります。ここにスマホを設置することで、走行中に視線を大きく落とすことなくナビを確認できます。これは安全運転の観点からも理想的なポジションです。
- デバイスの保護: スクリーン内側の「無風地帯」にスマホが収まるため、走行風によるスマホへの圧力や、雨天時の直接的な被水をある程度防ぐことができます。また、ハンドルバーに直接つけるより、鉄製ステーを介することで高周波振動が減衰され、スマホのカメラ(手ぶれ補正機構)へのダメージ軽減も期待できます。
- コストパフォーマンス: 通常、ハンドルブレースやマウントバーを別途購入すると3,000円〜5,000円程度かかります。これが最初から付いてくると考えれば、実質的なスクリーン本体価格はかなり割安と言えます。
実際に使ってみると分かりますが、コックピット周りがごちゃごちゃせず、スマートに機器類が収まる満足感は非常に高いです。「機能性」と「拡張性」を同時に手に入れられる、まさに一石二鳥のソリューションと言えるでしょう。
ロングのRSとショートのSSはどっちが良い?

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デイトナからは、形状の異なる2つのモデル「RS(Refined Style)」と「SS(Short Style)」がラインナップされています。どちらも取付ステーは共通ですが、スクリーンの長さと色が異なります。「どっちを買えばいいの?」という質問をよく頂きますので、それぞれの特性と推奨ユーザーを明確にしておきましょう。
| 比較項目 | ウインドシールド RS (ロング) | ウインドシールド SS (ショート) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 本格的な防風・ツーリング快適性 | スタイリング向上・街乗り快適性 |
| 防風エリア | 腹部〜ヘルメット下部までカバー | 腹部〜胸元あたりまでカバー |
| カラー | クリアー(透明) | スモーク(黒系) |
| 上端形状 | スポイラー状の反りあり | フラットな形状 |
■ ウインドシールド RS(ロングタイプ)がおすすめな人
- 高速道路を使った片道100km以上のツーリングを頻繁にする。
- 冬場の走行も多く、冷たい風を少しでも防ぎたい。
- 見た目よりも「実用性」と「疲労軽減」を最優先したい。
- インカムで通話をよくする(風切り音低減のため)。
■ ウインドシールド SS(ショートタイプ)がおすすめな人
- 主な用途は通勤・通学や街乗りで、高速道路はたまにしか乗らない。
- 大きなスクリーンをつけると「おっちゃんバイク」っぽくなりそうで抵抗がある。
- 夏場は暑いので、ある程度風を浴びて涼みたい。
- 車体全体をスモークパーツで黒く引き締めたい。
私個人の見解としては、ジクサー250というバイクのポテンシャル(高速巡航もこなせる油冷エンジン)を最大限に引き出すなら、迷わず「RS(ロング)」をおすすめします。最初は大きさに違和感があるかもしれませんが、その快適さを知ってしまえば、もうショートタイプには戻れません。透明度の高いクリアー素材なので、運転席からの視界にはほとんど圧迫感がなく、意外とすぐに馴染んでしまいますよ。
デザインを損なわないスタイリッシュな形状
後付けのウインドスクリーン導入を躊躇する最大の理由は、「バイクのデザインが崩れること」ではないでしょうか。特にジクサー250のようなストリートファイタースタイルのバイクに、野暮ったい風防がついている姿は避けたいものです。
しかし、デイトナ製品はその点においても非常に優秀です。汎用品のスクリーンに見られるような、ハンドルバーに無理やり固定する無骨な棒やクランプ類は一切ありません。車種専用に設計されたステーは、ヘッドライト横のボルト穴を利用してスマートに取り付けられ、車体のラインに沿うようにデザインされています。
特にステー部分は粉体塗装(パウダーコート)仕上げのマットブラックとなっており、ジクサーの質感にマッチします。メーターバイザー的な要素を残しつつ、必要十分な整流効果を持たせたデザインは、「取ってつけた感」ではなく「純正オプションのような一体感」を演出してくれます。
愛車のカッコよさを犠牲にせず、快適性だけをプラスオンする。このデザインバランスの妙こそが、多くのジクサーオーナーに支持され続けている理由の一つなのです。
ジクサー250用スクリーンのおすすめな選び方と絶対に知っておくべき注意点

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デイトナ製が優秀なのは間違いありませんが、もちろん市場には他社製品も存在します。また、スクリーンを導入する以上、絶対に無視できない「リスク」と「メンテナンスのタブー」が存在します。これらを知らずに購入すると、愛車を傷つけてしまう可能性があります。
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MRAやエンデュランスなど他社製品との比較
スクリーン選びで迷わないよう、デイトナ以外の主要な選択肢についても公平に評価・比較してみましょう。それぞれの製品には明確なコンセプトの違いがあります。
1. MRA(エムアールエー)「ヴァリオツーリング」
- 概要: ドイツ生まれのレース直系ブランド。MotoGPなどでも採用される世界的なメーカーです。
- 最大の特徴: スクリーンの上端に「可変フラップ」が付いています。このフラップの角度を6段階に調整することで、走行風の流れる量と向きをコントロールできます。
- メリット: フラップとスクリーンの間に空気の流路を作ることで「ベンチュリ効果」を生み出し、負圧を解消して乱流を防ぐ技術は一級品です。身長や好みに合わせて空力をセッティングできるのはMRAだけの特権です。
- デメリット: 価格が高いです。マウントキットを含めるとデイトナの倍近い出費になります。また、汎用ハンドルマウントを使用するため、取り付け位置の微調整に手間がかかります。
2. エンデュランス「メーターバイザー」
- 概要: ホンダ車のカスタムパーツで有名な国内メーカー。
- 最大の特徴: 名前通り「バイザー」であり、防風スクリーンではありません。メーター周りを覆うコンパクトな設計です。
- メリット: スモークカラーで見た目が非常に引き締まります。メーター裏の配線を隠すドレスアップ効果が高く、純正のような自然な仕上がりです。
- デメリット: 防風効果は「お守り程度」です。お腹への風圧は減りますが、高速道路での劇的な疲労軽減は期待できません。
3. ワールドウォーク「汎用ビキニカウル DS-01」
- 概要: 丸みを帯びたカウル形状で、車体をレトロモダンな雰囲気に変えます。
- 最大の特徴: オーダー時に「純正色塗装」を指定できます。
- メリット: 車体色と同じカラーのカウルを装着できるため、カスタムの完成度が非常に高くなります。カフェレーサースタイルを目指すならこれ一択です。
- デメリット: FRP製なので重量が少し増えます。価格も塗装費込みだとそれなりに高額になります。
結論として:
予算に糸目をつけず、空力を極めたいならMRA。
見た目最優先で、風圧は我慢できるならエンデュランス。
そして、価格・性能・機能性・安全性のバランスが最も高次元でまとまっているのがデイトナです。迷ったらデイトナを選んでおけば、まず後悔することはないでしょう。
Amazon等の安価な輸入品をおすすめしない理由
ECサイトで「ジクサー250 スクリーン」と検索すると、3,000円〜5,000円程度の激安スクリーンや、聞いたことのないブランドの製品がたくさん出てきます。「見た目が似ているなら安い方がいいじゃん」とポチりたくなる気持ちは痛いほど分かりますが、エンジニアとして言わせてください。絶対にやめたほうがいいです。
安さには必ず理由があります。そのリスクは主に以下の3点です。
1. 素材が「生のアクリル」であるリスク
激安品のほとんどは、耐衝撃性の低い安価なアクリル板や、密度の低いプラスチックで作られています。これらは走行中の振動でクラック(亀裂)が入りやすく、飛び石が当たれば簡単に割れます。また、ハードコーティングがされていないため、タオルで拭いただけで傷だらけになり、数ヶ月日光に当たると白く濁って視界不良になります。
2. フィッティング精度の低さ
ジクサー250はインドで生産されているグローバルモデルですが、インド仕様と日本仕様では、フロントのナンバープレートホルダーの有無やサリーガードなど、細かい仕様が異なります。並行輸入の激安スクリーンはインド仕様向けに作られていることが多く、日本のジクサー250に取り付けようとするとステーが干渉したり、ボルト穴の位置がズレていたりと、ポン付けできないケースが多発しています。
3. 金属パーツの防錆性能
付属しているステーやボルトのメッキ処理が甘く、日本の湿気を含んだ気候ではすぐに赤錆が発生します。錆びた汁が垂れて、バイク本体の塗装を汚してしまうこともあります。
数千円をケチった結果、すぐに買い換えることになったり、加工に何時間も費やしたりするのは賢い選択とは言えません。「安物買いの銭失い」を避けるためにも、品質管理された国内メーカーの製品を選ぶべきです。
自分で取り付け可能?交換の手順と難易度
「ショップに頼むと工賃がかかるし、自分でやってみたい。でも失敗したらどうしよう…」と不安に思っている方、安心してください。デイトナ等の車種専用スクリーンであれば、取り付け難易度は「低」です。プラモデルを作ったことがない人でも、30分〜1時間あれば完了します。
必要な工具
- 六角レンチ(ヘキサゴンレンチ):主に4mm、5mmなど。
- スパナまたはメガネレンチ:10mm、12mmなど(ミラーの取り外しに使用)。
- (あると便利)養生テープ:作業中に工具が当たって傷つくのを防ぐため。
基本的な作業手順
- ミラーの取り外し: 純正ミラーを根本から取り外します(逆ネジの場合があるので回転方向に注意!)。
- ベースステーの仮止め: 付属のステーをミラー取付穴などを利用して固定します。この段階ではボルトを完全に締めず、少し動く程度に「仮止め」しておくのがコツです。
- スクリーンの装着: ステーにスクリーン本体をボルトで留めます。ゴムブッシュやワッシャーの順番を間違えないように説明書をよく確認しましょう。
- 位置調整と本締め: 全体のバランスを見ながら、スクリーンの傾きがないか確認し、ボルトを対角線上に少しずつ締めていきます(本締め)。
注意点:オーバートルク(締めすぎ)厳禁
特にスクリーンを固定する樹脂ボルトやゴムナットは、力を入れすぎると簡単に破損したり、スクリーン側にヒビを入れたりしてしまいます。「キュッ」と締まったら、そこから無理に回さないようにしてください。自分で取り付けるとバイクの構造も理解できますし、何より愛着が湧きますよ。
【超重要】メーターが溶ける収斂現象の対策

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スクリーンを導入するすべての方に、これだけは絶対に覚えておいてほしい重大なリスクがあります。それが「収斂(しゅうれん)現象」による車両火災・損傷リスクです。
収斂現象とは何か?
理科の実験で、虫眼鏡を使って太陽の光を集め、黒い紙を燃やした経験はありませんか?あれと同じことがバイクのスクリーンで起こります。透明な曲面を持つスクリーンが「レンズ」や「凹面鏡」の役割を果たし、太陽光を一点に集光してしまうのです。
この集められた光の焦点温度は数百度に達することもあり、その焦点がメーターパネル、樹脂製のインナーカウル、あるいはタンクの上に合うと、以下のような被害が発生します。
- デジタルメーターの液晶画面が黒く焼けて見えなくなる。
- プラスチックパーツがドロドロに溶けて変形する。
- 最悪の場合、そこから発煙・発火して車両火災に至る。
いつ、どんな時に起こる?
特に注意が必要なのは、「太陽高度が低い冬場」や「朝日・夕日」の時間帯です。真上からの光よりも、斜め横からの光の方がスクリーンを通して集光しやすいためです。また、春先や秋口の日差しが強い時期も危険です。
- 駐車の向きを考える: バイクを停める際は、必ず太陽を背にする(リア側から日が当たるようにする)か、日陰を選んで駐車してください。
- 物理的に遮断する: 長時間駐車する際は、タオルやウエス、ライディングジャケットなどをメーター周りに被せておき、光が当たらないようにしてください。
これはデイトナ製品に限らず、すべてのウインドスクリーン(特にクリアタイプ)に共通する物理現象です。「自分のバイクは大丈夫だろう」という過信は捨て、スクリーンを付けたら駐車時は常に太陽の位置を気にする癖をつけてください。
メンテナンスでパーツクリーナーは絶対NG

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最後に、スクリーンを長く綺麗に使うためのメンテナンス方法をお伝えします。ここにも「やってはいけないタブー」が存在します。
走行後のスクリーンには、虫の死骸や排気ガスの油膜がびっしり付着します。これを落とそうとして、手元にある「パーツクリーナー」「ブレーキクリーナー」「ガソリン」「シンナー」「ガラスクリーナー」を使って拭くこと。これは絶対にNGです。
なぜダメなのか?
ポリカーボネートやアクリルなどの樹脂素材は、有機溶剤(アルコールや石油系溶剤)に対して非常に弱いです。これらのケミカルが付着すると、素材内部の分子構造が破壊され、「ケミカルクラック」と呼ばれる微細なひび割れが発生します。
拭いた直後は綺麗になったように見えても、数日後に突然スクリーン全体が白く曇ったり、パキパキに割れて崩壊したりします。これは不良品ではなく、明らかなメンテナンスミスです。
正しいお手入れ手順
- 水をかける: まずはたっぷりの水で表面の砂ぼこりを洗い流します。いきなり拭くと砂で傷がつきます。
- 中性洗剤で洗う: 台所用の中性洗剤(ママレモンなど)を水で薄め、柔らかいスポンジや布に含ませて優しく撫でるように洗います。
- 吸水クロスで拭き上げ: 最後に水で洗剤を完全に流し、清潔なマイクロファイバークロスなどで水滴を拭き取ります。
仕上げに「プレクサス」や「バリアスコート」などの樹脂対応コーティング剤を塗布しておくと、虫汚れが落ちやすくなり、小傷も目立たなくなるのでおすすめです。正しいケアを行えば、スクリーンは何年経ってもクリアな視界を保ち続けてくれます。
総括:ジクサー250のスクリーンおすすめはこれだ
それでは、今回の記事を振り返ってみましょう。
- ジクサー250の風圧対策には、強度と機能性を両立したデイトナ製スクリーンが最適解
- 空気抵抗は速度の2乗で増えるため、スクリーン導入による高速道路での疲労軽減効果は劇的である
- デイトナ製は防弾ガラスと同素材の「ポリカーボネート(3mm厚)」を採用し、飛び石でも割れない安全性を確保している
- ポリカーボネートの耐衝撃性はアクリルの約30倍で、ハードコート処理により傷や黄変にも強い
- 「RS」はロングタイプで防風性能が高く、ツーリング重視のライダーに推奨される
- 「SS」はショートタイプで見た目がスマート、街乗り派やスタイル重視のライダーに適している
- デイトナ製にはスマホ用クランプバーが標準装備されており、コックピット周りの拡張性が高い
- MRA製は6段階可変フラップによる空力調整が可能だが価格が高く、エンデュランス製は見た目重視のバイザーである
- Amazon等で売られる安価な輸入品は、割れやすいアクリル素材やフィッティング不良のリスクがあるため推奨しない
- 車種専用設計なら特別な工具は不要で、初心者でも30分〜1時間程度でDIY取り付けが可能
- スクリーン装着車は太陽光が集光する「収斂現象」により、メーターが溶けるリスクがあるため駐車の向きに注意が必要
- メンテナンス時にパーツクリーナーや有機溶剤を使用すると「ケミカルクラック」で割れるため、必ず中性洗剤を使用する
- 正しい製品選びとメンテナンスを行えば、ジクサー250は快適なツアラーへと進化する
最後に
今回は、ジクサー250のスクリーンおすすめとして、デイトナ製が選ばれる理由や、失敗しない選び方、運用上の注意点について徹底解説しました。
ポリカーボネート素材による圧倒的な強度と、専用設計ならではの機能性が、安全かつ快適な旅を支えてくれることをご理解いただけたのではないでしょうか。
快適なツーリング仕様にカスタムした後は、遠出に向けた装備の見直しもおすすめです。
以下の記事では、ロングツーリングに欠かせない積載アイテムや便利グッズについて詳しく解説しています。
また、愛車を長く綺麗に保つためのメンテナンス知識については、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。